ボンジュール!
前編では、フランスにきて、3か月目までのお話しだった。↓
今日は、その続き。
私立の少人数生の学校から、公立のモンペリエ大学にある、外国人の為の学校に通うことになった。
学費も一気に下がった!モンペリエは、この青い印のところ。
生徒は、全部で400人。
クラス分けのテストで1クラス15人のクラスに分けられた。
私のクラスは、スウェーデン、アメリカ、オランダ、ブラジル、スーダン、コロンビア、エクアドル、スペインと今までに会ったことのない人種もいる。
15人中6人が、なんと中国人だ。
モンペリエは、中国のどこかの都市と姉妹都市提携をしていて、そこからの学生が来ていた。
授業はとにかく大変だった。
まず、クラスの皆がよく話せる、書ける、読める。
私はまたヒイヒイ言いながらのスタートだ。
授業は週15時間で、朝8時からの日もあれば、夜8時からのクラスもあったりで、変則的だ。
中国人と私のアジア人以外は、とにかく発言する。
答えるのが早い。
しかし、よく聞くと、大したことは言ってない。
よく先生に「ちょっと的が外れてます。」と指摘されている。
発言するという行動を重要視している文化のような気がした。
対して、「ジャポネーゼMUTSI」は、発言前にあれこれ、邪念が邪魔し、発言できない。
私はその当時29歳だった。
今から考えれば、とても若いが、その当時のクラスメイトは20歳前後が多かった。
私の20歳の頃は、英語に目覚めた時期だ。
この子達は、これからフランス語をもっと勉強して更に力を伸ばしていくんだろうなーとうらやましく思えた。
面白いのは、アメリカ、スペイン、中国人がそれぞれ話すフランス語は、彼らの母国語のように聞こえる。
私のフランス語も日本語のように聞こえるのだろう。
あの耳で聞いて語学を覚えた話しがよぎる。👇
ちなみにある日の授業では、
「女性はなぜ、家庭のことをやらなくてはならないか、それに関してどう思うか?」
というお題に対して、皆の前で自分の意見を言わなくてはならない。
別の日は、「肉は美味しいが、動物愛護の点からみてどう思うか?」といった具合だ。
そもそも、それに関しての自分の意見がないので、日本語でもうまく話せないのに、更に輪をかけてフランス語で言わなくてはならないのできつい。
それに、ボキャブラリー不足だ。
授業の後、先生に相談してお勧めの教材を買った。
霧の中で勉強している感じだった。
とうとう、夢の中でも勉強していた。
受験生のようだ。
さて、試験のある日、びっくりしたことがあった。
その日は、文法と長文の試験だった。
まず、先生はいつも遅れてくる。
テストの日も15分遅れてきた。
フランスのテストは、マークシートのような選択問題は、ほぼない。
とにかく、「書かせる」「考えさせる」問題だ。
それから鉛筆は禁止。
ボールペンを使用しなくてはならない。
満点は、20点
フランス語は、綴りが難解なので大変だ。
長文読解のテストは、仏仏辞典の持ち込みは許されている。
こうして、テストが始まるのだが、厄介なのが中国人だ。
彼らは、ほとんどが、「5か年計画」でフランスに留学してくる。
無事にテストをパスして、レベルを上げていくと、1年半後には、正規の大学生としてフランス人と一緒に勉強ができ、卒業すれば、学位を取得できる。
すなわち、試験が超重要だ。だから物凄く必死だ。
そのため、ひそひそ声でお互い答え合わせをしたり、持ち込み禁止の仏中辞典を見たり、更に厄介なのが、電子辞書をピコピコ音を鳴らして使うので頭にくる!!
先生も何度か注意するのだが、何せ、フランス人なので、自分の読んでいる本に夢中になり、そちらの世界に行ってしまい、帰ってこない。
「中国人は、人口が多いから、いつも競争です」と添乗員時代にガイドのコウさんから言われた言葉がここでよぎった。👇
恐るべし中国人だ。
かくいう私は、日仏辞典を隠し持つ勇気もなくさんざんな結果を手にするのであった。。とほほ。
このクラスメートとは5カ月一緒だった。
色んな意見を授業で交わし、あと2日間のテストで終わりというところまで来た。
私の中では、夕方の最後の授業の後、皆で記念写真を撮りたいなとカメラを持って、教室に向かった。
(その当時は、携帯電話がないので、写真を撮るときは、カメラを持っていく必要があった。)
そうしたら、クラスメートの半分くらいしか出席してなくてびっくりした。
私は、大変な思いをして頑張った、このクラスに強い思いがあったのに、皆は、ドライだった。
そして最終試験日になった。
すごい試験だった。。
2日間にわたり、300人が大講堂で試験を受ける。
聞き取りのテストは、300人が聞き取れる音量ではとてもなかった。
前の人しか聞こえない。
かといってマイクを使うわけでもない。
そうすると当然ざわつく。
しかし、監視係りの先生は、何も言わない。
そうしているうちに、皆こそこそ話し始め、答え合わせ。
そんなめちゃくちゃな試験が終わった。
更に驚いたのが、答案回収の時だ。
この答案の提出の際に、「私は試験を受けました」という監視係の先生の席にある名簿に、署名をしなくてはならなかった。
紙は、1枚、生徒は300名だ。
当然、大行列になる。
そして当然その間に答え合わせもできる。やりたい放題だ。
すごい、すごい。めちゃくちゃだ。
もう、ぶっ飛んでるなー、なんだかなーと思い、日本の友達に連絡をしたら、哲学的な考えを述べてくれた。
「私、思うんだけどさー、日本は、学歴を残すことに意義があるから、何かとテスト体制が厳しかったり、テストそのものが重要になるでしょ。
でも、フランスではさー、自分がそこで勉強したことがどれだけ今後活かせるかが重要と考えているんだろうねー。きっとそれまでの過程を重要視するような気がするなー。
だから、テストに日本人が思うほど、比重を置かないんじゃないかなー。」
と。
すごい!きっとそういうことなんだ。なんか、府に落ちた。
まあ、もちろんこれはあくまでも私の学校の出来事であり、フランス全体がそうではないと思う。
なのでちゃんと勉強してテストした人には怒られてしまうが、いやはや、いずれにせよ、やっぱりフランス人は、宇宙人だ。
でもなんだかこういう自由さっていいなーなんて思うのだった。
というわけで、フランス語は、本当ーーに日常会話程度しかできないが、今も、NHKラジオ講座とFrance2のニュースを見て、細々と続けている。
なぜなら、話せなくなると、クリスティーン達とコミュニケーションが取れなくなってしまうからだ。
一生、付き合っていこうと思っている。
というわけで、おしまい!
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