【客室乗務員の生活】フライトパターンとスタンバイという仕事

客室乗務員

私は、33歳から5年間、オーストラリアで客室乗務員(キャビンクルー)の仕事をした。

客室乗務員の1期生として、採用され、契約書が届いた。

確か、「基本 週休2日」と記載されたのをみて、「飛ぶ仕事なのにOLみたい!」と驚いた記憶がある。

私達のフライトスケジュールのシフト表は、「ロスター」と呼ぶのだが、毎月、リクエストできる項目がある。

お休み2日と、どのフライトに飛びたいかというものだ

フライト先は、日本、ハワイ、ホーチミン、プーケット、クアラルンプールなどがある。

Mutsi 撮影 ある日のハワイ ホノルル
Mutsi 撮影 タイのピピ島

仲良しクルーと相談して、ハワイや、プーケットなどのリゾート地にも一緒に飛んだりもできる。

フライトは、基本は1泊が多いが、スケジュールがちょうど変わる時や、飛行機のメインテナンスの都合で数泊のステイができることもたまにある。

ハワイ4泊、ベトナム3泊というのが、たまーーーにあって、そんな時は、「ボーナス」と勝手に名付けてありがたく頂戴した。

日本、タイ、ベトナムなどのアジアフライトは、朝、離陸して、現地に夕方に到着。

帰りは、夜の出発となり、朝方、オーストラリアに着くパターンだ。

朝日が見える機内

ハワイ便は、上記と違う。

シドニーの夕方に離陸し、9時間ほど飛ぶと、ハワイは、朝。

帰りは、ハワイの朝5時にホテルを出発して、オーストラリアの夕方に帰ってくる。

ハワイは、時差が激しいので、1泊はあまり好きではない

しかしまあ、オージーも日本人に負けないくらいハワイ好きが物凄い多い

私からみれば、ゴールドコーストで十分な気がするが、ハワイは何か違うらしい。

アメリカへの憧れは、やはりあるようだ

ハワイは、ヒルトンホテルに泊まるのだが、ここのベットがいやはや、ほーーんとに最高な寝心地だ

ホノルルにて。ホテルからの眺め。
最高の寝心地のお気に入りベット

バックパック旅行生活の長い私が、ハワイのヒルトンのベットに寝るなんて、あの頃の私に言ったら、きっと信じないだろう。

ベットは、なんというか、マシュマロのような柔らかさなのである。

包み込まれるのだ。

ハワイフライトは、お客さんがガンガンに飲むので、居酒屋店員状態の仕事だ。

ハワイの朝9時にようやくホテルに到着する。

私の体内時計のシドニーは、夜中だ。なので眠い。

すぐにホテルにチェックインして、シャワーを浴びる。

そしてまず寝る

あのベットでぐっすり、5時間くらい熟睡するのでさっぱりした気分で起きれる。

メンバーにもよるが、だいたい、夕食をパイロットも含め、皆で食べに行くことが多い

夕食は、チーズケーキファクトリーが何故か大人気だ。

あとは、アラモアナショッピングセンターに行ったり、もし2泊であれば、1泊目は、サンセットクルーズに行くことがよくある。

パイロットやクルーと皆でサンセットクルーズ!

2,3泊だと、家族を連れてくる人もいて、家族サービスをしているパイロット、クルーがいてほほえましい。

オージーは、家族を連れても、私達クルーに混ざって一緒に遊ぶこともある。

私がもし、家族をハワイに連れてきたとしても、まあそもそも、英語が話せないこともあるが、一緒に行動はしないなーと思う。

こういう皆がオープンなのがいい。

そんな中、クルーの仕事には、「スタンバイ」という業務がある。

これは、クルーの中に急病人が発生した時に、駆り出されるピンチヒッターのようなものだ。

クリスマスにスタンバイが入ったら、間違いなく仕事になると覚悟しておく。

なぜなら、オージークルーが「急病」になるのである。

オージーにとってクリスマスは、1年で1番大事な日なのだ。

スタンバイには、空港スタンバイと家でのスタンバイの2種類になる

空港スタンバイは、制服を着て、空港のオフィスで待機だ。

スーツケースには、例えば、日本が真冬だと防寒具を用意しなくてはならないし、プーケットフライトだと自由時間にビーチに行きたいから、水着も用意する。

スタンバイの時間によって、自分が呼び出される可能性のフライトを予測して荷物も用意するが、丸一日スタンバイの場合は、とにかく全ての季節を乗り越えられるような荷物の準備となる

一方、家でのスタンバイは、9時から19時と拘束時間は、長いが、呼び出される可能性はかなり低くなってくる。

電話がなる時間帯を予測できる

つまり、

「この時間になっても電話が鳴らないと、もうフライトがないから、今日は、解放されたーー!」

と喜ぶ日もあれば、早朝から電話が来て、慌てて用意をして出発することもある。

スタンバイで呼ばれたことにより、その後、リクエストして楽しみにしていたフライトに乗れないこともある。

大事な約束を入れている時の直前のスタンバイは、恐ろしい

せっかくリクエストが通ったのに、全て、吹っ飛ぶ可能性もあるので、その時は、

「どうか、呼び出されませんように」

と本気で祈りを捧げる。

私は、オージーのトニーというこれまた、いい年なのに、夢見るピーターパンとシェアハウスで暮らしていた。

トニーは、軍の飛行機のエンジニアの仕事をしていて、飛行機オタクだ。

ロスターは、冷蔵庫に貼っているのだが、飛行機大好きなトニーは、ステイできない、私の大嫌いなバリフライトでも、「飛行機に乗れて、いいなー」と言っていた。

私の仕事にも興味があるので、スタンバイでの呼び出される時間帯もよく知っている。

ある日、彼が、どっきりを仕掛けてきた。

友達を使って、

「スタンバイの呼び出しです、バリにいってーーー」

と電話をしてきたのだ。

ただ、その日のバリフライトは、同期が飛ぶ予定で

「もう全員クルーが揃ったから、呼び出しかからないから安心しなーー」

と連絡をもらったばかりだったので、一瞬パニックになった。

そしたら、5分後にトニーが「どっきりですーー、タッタラーー!」というノリで帰ってきた。

むかついた!

そんなわけで、その日は、町に出て、お詫びとして、お寿司をおごってもらた。

なかなかスリリングな体験だったが、今、思い出したら、なつかしく、ほっこりした気持ちになった。

というわけで、本日もご搭乗、誠にありがとうございました。

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