【CA体験談】乱気流に巻き込まれる!

客室乗務員

本日もご搭乗、誠にありがとうございます。

客室乗務員の時、シートベルトサインがつくと、

当機は気流の悪いところを通過しております。どなた様もお座席にお戻りに、お手元のシートベルトをしっかりお締め下さい。なお、この間のお手洗いのご使用は、お控え下さい。」

とアナウンスする。

航空会社によって、シートベルト着用サインが付いた時の対応がこんなに違うんだなって、自分がクルーになってから気が付いた。

オーストラリアの私の働いていた、航空会社は、シートベルト着用のサインが付いたら、乗客を座らせ、トイレもロックして使えないようにする。

機内食のカートのあるギャレーも全て、ブレーキは、ストッパーをおろして、モノが出てこないようにして、離着陸時と同じ状態にする。

クルーは、一旦、機内を見回り、乗客のシートベルトを確認して、それぞれのポジションのクルーシートに着席する。

それから、チーフパーサーからインターフォンで連絡があり、それぞれの自分の担当エリアの安全確認をして、パイロットに状況を報告する。

パイロットは、「これから30分ほどシートベルトサインが消えないと思うので、よろしくね。」とか「かなり揺れるけど、10分程度でおさまるよ。」などと最新情報を教えてくれる。

揺れている時は、立ち上がる人はいないが、シートベルトサインが点灯しているのに、ちょっと揺れがおさまると、トイレに行こうとする人がちらほら出てくる。

そんな時も私達クルーは、シートベルトサインが消えるまで、席に戻ってと促す。

11月のある日の関空からシドニー行きのフライトで、乱気流に突然巻き込まれた。

満席の夜のフライトで、ミールサービスが無事に終了し、ちょうど片付けに入ろうとした直後だった。

機内が揺れ始めたと思ってシートベルトサインが点灯した瞬間、突然、ドーーーーンと体がまっさかさまに落ちて行った。

カートを2人で引いていたのだが、そのカートのハンドルを思わず強く握って、ひたすら揺れが止まるのを待った。

全身に力が入った。

ほんの数秒の出来事だったと思うが、物凄く長く感じた。

ちなみに私は、そのフライトの直前のホリデーで、横浜八景島シーパラダイスでジェットコースターに乗った。

今回の揺れは、その時と同じくらいの揺れ方だった。

キャーと悲鳴があがり、振り向いたら、パンが3つくらい、宙に舞っていた。

不思議な事にスローモーションに見えた。

私は、ちょうどクルーシートの横にいたので、カートにブレーキをかけて、しがみつくように着席した。

怖かったー--!

ちなみに、飛行機は、後方が1番揺れる。

後方担当の私達が、そのフライトでも1番衝撃を受けた。

シートベルトサインは、意外にあっという間に消灯し、自分の担当エリアを確認しに行った。

すると、コーヒー、ジュースが床にこぼれ、赤ワインを頭からかぶっていた、お客さんもいた。

皆、笑っていたし、ケガがなくてほっとした。

興奮したのか、鼻血を出している乗客もいた。

幸い、食事中で全員、着席していたので、大きなトラブルはなかった。

ハワイ線は、乱気流が多いので、揺れが凄いのを何度か経験しているが、このフライトの揺れが5年のクルー人生で1番だった。

たまに、ニュースで乱気流に巻き込まれて、けが人が出たというニュースを見る。

200m降下してなんて聞くと、いやー、こりゃ、シーパラダイスのジェットコースターどころじゃないなーなんて想像して、恐ろしくなる!

今回は、前触れもなく突然降下したのが、何よりも怖かった。

通常は、だんだん揺れてきて、来た来たー-!って心の準備ができるのが、それがこのフライトでは、なかったので、その後、しばらく、別のフライトでも、揺れが来ると、ビビッていた

そのフライト、実は、それだけでは、終わらなかった。

この揺れの余韻が残っている中、乗客から、「トイレットペーパーがないので、お願いします。」と言われたので、トイレチェックに向かった。

そしたら、床にがっつり、う〇こが落ちていた。

なんだか、疲労度MAXで、早朝にシドニーに戻ってきて、シャワーを浴びて、吸い込まれるようにベットに入って、気が付いたら18時までぐっすり寝ていた。

ご搭乗の皆さま、飛行機は、突然の気流の悪いところを通過することが多々ございます。

ご自身の安全の為、お座席にお座りの際は、シートベルトをお締め下さいませ。

本日もご搭乗、誠にありがとうございました。

ちなみにカートって100kgくらいあるって知ってました?過去記事もよかったらどうぞ。↓

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