本日もご搭乗誠にありがとうございます。
修学旅行の行き先が、オーストラリアという学校って結構あるんだなーってクルーになって知った。
高校生がほとんどだったが、学校によって挨拶などのしつけが行き届いているか否かというのはすぐにわかる。
ある日、たくさんの高校生が搭乗してきた。
私の担当している機内後方を全て、その学生達が占めていた。
挨拶もできるし、礼儀正しいのだが、揃いも揃って、「決められない病」の人が多くてびっくりした。
機内食のチキン、ビーフ、パスタの選択にものすごー----い時間がかかるのである。

もう人生の岐路に差し掛かる選択肢かい!っていうほど悩むのだ。
たかが、機内食よー-!と何度か本当に言いそうになった。
「今、対応している、右側のこの子、決められなさそう!」と判断した場合は、その子が、運命の選択を考えてる間を与える間に、左側に向き、その学生に声をかけて、チキン、ビーフ、パスタを伝える。
こちらのシナリオ通り、左側の子も決められずに悩む。
なので、また、右側を向き直し、「お決まりですか?」と聞いて、時間差でサーブしていく。
それでも物凄い時間がかかる。

次の選択肢は、ドリンクだ。
「お飲み物は、いかがいたしますか?」と言われてて、最初、通常サービスの、
「オレンジ、アップル、レモネード、ウーロン茶、コーラー、コーヒー、紅茶、日本茶です。」
って言ったら、学生がもがきながら悩み始めた!!
こりゃ、まともに対応してたら、シドニーに到着してしまう!と恐ろしくなり、オレンジかアップルの2種類にした。
それでも、また大いに悩み、運命の選択をするのである。

その中に、究極の「決められない子」がいた。
もう、優柔不断という生易しい単語では、収まらないくらい悩むのである。
思わず、「シドニーでホームステイするの?」と言ったら、「はい」という。
こりゃ、受け入れのホストファミリーは、大変だなーって同情してしまった。
ようやく先生の番になったら、すぐに決めてくれた。
年と共に、自分の嗜好がはっきりするから、決められないのって若さの勲章なのかな?って思った。
いや、でも、よく考えたら、オージーの学生達は、皆、選択が早かった。

子連れの乗客を見ていても、親が、「あなたは何が食べたいの?早く決めなさい。」と小さい子供に言っている場面に遭遇した。
全体的に日本人の学生は、ちょっとオージーより子供っぽいなと、キャビンクルーをして気が付いたことだった。
そうそう、別のフライトでは、女子高の団体が搭乗してきた。
到着前に一斉に、大きな鏡を出して、皆一同に、メイクを始めた。

数人は、まだ熟睡していた。
足を思い切り広げて、パンツ見え見えで、口を開けて寝ているところを通り過ぎたら、舌に、3つほどピアスをしていた!!
同僚の外国人クルーから、あのメイクは?あの制服は?あのピアスは?
何?何?何?って質問攻めにあったが、どの質問にも時代が違いすぎて、ちゃんと答えられなかった!
コロナで、修学旅行も中止になっただろうから、今考えると、あの頃は、よきコロナ前の時代だったなー。
というわけで、本日もご搭乗、誠にありがとうございました。
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