【客室乗務員】過酷な訓練生編 5回シリーズ 第4回 やっぱり楽しいサービス

客室乗務員
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33歳の時、客室乗務員になるチャンスを得た。保安訓練が難航し、一時は、人生最大のピンチを迎えたが、最後は、満点で有終の美を飾り、楽しみにしていた、サービスの訓練になった。

前回の話

ちなみに、あの大変な保安訓練だが、1年に1度、テストがあるのでその度に胃が痛い。

さて!残りの1週間は、サービスの訓練だ。

ようやく、私の好きな、チキン OR ビーフにたどり着いた。

ちなみにメニューは、きちんと説明しなくてはいけないと最初にいわれた。

接客は、英語では、Customer Service カスタマーサービスという。

日本にも行ったことがある教官から、

「笑顔は大事だが、ただ、ニコニコするだけなのはダメ。理不尽な乗客には堂々と振舞いなさい。日本のサービスは、素晴らしいがちょっと行き過ぎな感じがする。人によっては、ちょっと不気味に思う人もいるわよ。」と言われた。

よーーく、わかる。

英語の使い方や表現方法もならった。

丁寧にWould you like ~は、いかがですか?という柔らかい表現を使うのはもちろんだが、単語の使い方も大事だ。

例えば、この会社は、エコノミークラスの人がさまざまなものを購入する。

「買う」という単語は、日常会話では、”Buy ”を使うが、機内では、”Purchase ”購入という単語を使うようにと言われた。

Would you like purchase anything? 何かお買い上げなさいますか?

How can I help you?  何かお手伝いしましょうか?

これも「魔法の言葉だ。」ちなみに過去のこんな記事もよかったらどうぞ。

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髪型やメークアップも教えてもらった。

各航空会社のクルーがかっこよく見えるのってやっぱり皆、統一した決まりで揃っているからだと思った。例えば、中東のエミレーツ航空は、真っ赤な口紅がMUSTだ。

身だしなみをきちんと揃えると気持ちも引き締まる。あの統一感が大事なんだと改めて感じた。

私達LCCの国際線は、ビジネスクラスとエコノミークラスの2つにわかれる。

実際に働いていた機内

ビジネスクラスは、38名、エコノミーは、265名だ。

ビジネスクラスは、JALやANAのような、フルサービスなので、全てのサービスを提供する。

エコノミークラスは、基本、航空運賃の中に、座席しか含まれていないので、その他のサービスは有料だ。事前購入ももちろんできる。

ちなみに、サービス内容は、ヘッドセット、ブランケット、食事、軽食、飲み物、VOD(Video On Demand) という個人用ビデオセットだ。

カートのセットアップなど、実は、とても工夫が必要だということは、実際に飛んでからわかった。

ちなみにミールカートという大きなものと小型のタイプがある。

実際使っていたカート

大きなミールカートには、飲み物や機内食を搭載するので、100kg近い重さになる。

腰を悪くしないようにかがむときは、膝を曲げ、安全のため、必ず足元のブレーキを踏む。

何があっても、安全優先。

Safety is our #1 priority

常にこの言葉が出た。

カートに関しては、訓練では、できることに限りがある。実際にOJT (On the Job Training)という初期訓練が終わり、制服を着て他のクルーと同じように飛びながらトレーニングをする期間があるので、その際に

パーサーから指導があるから、実践で学べといわれた。

そんなわけで、人気メニューのホットチョコレートでどうやったら美味しく作れるか、なんてことを教えてもらい、保安訓練よりもほのぼのとして訓練だった。

あと、これはオーストラリアらしいなと思ったのが、

「裸足の人は搭乗できないから、靴の確認」というものだった。

確かにオージーは、町を歩いても裸足の人が多い

私は、シドニーとゴールドコーストに住んだのだが、海がすぐ近くにあったゴールドコーストは本当に裸足族がたくさんいた。

私も一度、裸足で町を試しにあるいてみたのだが、痛くて10歩も歩けなかった。

彼らは、足の裏の皮が絶対厚いと思う。

訓練生がこうして終わった。

訓練中は、自前のスーツだったが、制服も届いた。

ようやく制服に袖を通したら、なんだか、「国際線スチュワーデス」になった感じがした。

早く両親にこの姿を見せたいと思った。

というわけで、当機は、まもなく到着となります。本日もご搭乗誠にありがとうございました。

いよいよ最終回↓

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