33歳の時、客室乗務員になるチャンスを得た。保安訓練が難航し、一時は、人生最大のピンチを迎えたが、最後は、満点で有終の美を飾り、楽しみにしていた、サービスの訓練になった。
前回の話
ちなみに、あの大変な保安訓練だが、1年に1度、テストがあるのでその度に胃が痛い。
さて!残りの1週間は、サービスの訓練だ。
ようやく、私の好きな、チキン OR ビーフにたどり着いた。
ちなみにメニューは、きちんと説明しなくてはいけないと最初にいわれた。
接客は、英語では、Customer Service カスタマーサービスという。
日本にも行ったことがある教官から、
「笑顔は大事だが、ただ、ニコニコするだけなのはダメ。理不尽な乗客には堂々と振舞いなさい。日本のサービスは、素晴らしいがちょっと行き過ぎな感じがする。人によっては、ちょっと不気味に思う人もいるわよ。」と言われた。
よーーく、わかる。
英語の使い方や表現方法もならった。
丁寧にWould you like ~は、いかがですか?という柔らかい表現を使うのはもちろんだが、単語の使い方も大事だ。
例えば、この会社は、エコノミークラスの人がさまざまなものを購入する。
「買う」という単語は、日常会話では、”Buy ”を使うが、機内では、”Purchase ”購入という単語を使うようにと言われた。
Would you like purchase anything? 何かお買い上げなさいますか?
How can I help you? 何かお手伝いしましょうか?
これも「魔法の言葉だ。」ちなみに過去のこんな記事もよかったらどうぞ。
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髪型やメークアップも教えてもらった。
各航空会社のクルーがかっこよく見えるのってやっぱり皆、統一した決まりで揃っているからだと思った。例えば、中東のエミレーツ航空は、真っ赤な口紅がMUSTだ。
身だしなみをきちんと揃えると気持ちも引き締まる。あの統一感が大事なんだと改めて感じた。
私達LCCの国際線は、ビジネスクラスとエコノミークラスの2つにわかれる。
ビジネスクラスは、38名、エコノミーは、265名だ。
ビジネスクラスは、JALやANAのような、フルサービスなので、全てのサービスを提供する。
エコノミークラスは、基本、航空運賃の中に、座席しか含まれていないので、その他のサービスは有料だ。事前購入ももちろんできる。
ちなみに、サービス内容は、ヘッドセット、ブランケット、食事、軽食、飲み物、VOD(Video On Demand) という個人用ビデオセットだ。
カートのセットアップなど、実は、とても工夫が必要だということは、実際に飛んでからわかった。
ちなみにミールカートという大きなものと小型のタイプがある。
大きなミールカートには、飲み物や機内食を搭載するので、100kg近い重さになる。
腰を悪くしないようにかがむときは、膝を曲げ、安全のため、必ず足元のブレーキを踏む。
何があっても、安全優先。
Safety is our #1 priority
常にこの言葉が出た。
カートに関しては、訓練では、できることに限りがある。実際にOJT (On the Job Training)という初期訓練が終わり、制服を着て他のクルーと同じように飛びながらトレーニングをする期間があるので、その際に
パーサーから指導があるから、実践で学べといわれた。
そんなわけで、人気メニューのホットチョコレートでどうやったら美味しく作れるか、なんてことを教えてもらい、保安訓練よりもほのぼのとして訓練だった。
あと、これはオーストラリアらしいなと思ったのが、
「裸足の人は搭乗できないから、靴の確認」というものだった。
確かにオージーは、町を歩いても裸足の人が多い。
私は、シドニーとゴールドコーストに住んだのだが、海がすぐ近くにあったゴールドコーストは本当に裸足族がたくさんいた。
私も一度、裸足で町を試しにあるいてみたのだが、痛くて10歩も歩けなかった。
彼らは、足の裏の皮が絶対厚いと思う。
訓練生がこうして終わった。
訓練中は、自前のスーツだったが、制服も届いた。
ようやく制服に袖を通したら、なんだか、「国際線スチュワーデス」になった感じがした。
早く両親にこの姿を見せたいと思った。
というわけで、当機は、まもなく到着となります。本日もご搭乗誠にありがとうございました。
いよいよ最終回↓
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