毎日暑くて、プールに入りたくなる気分なので、プールの思い出のお話しをしよう。
コロナ渦の夏にフランスのテレビを見ていたら、自分のお庭で泳げる箱型のプールが売り切れ続出というニュースが流れた。
フランスのモンペリエで、ホームステイをしていた、ママのクリスティーンのお家は、広いお庭がある、3階建ての素敵なお家だ。
私が滞在していた、2003年の猛烈な猛暑の夏に、パパのクロウドが、売り切れで話題になった箱型のプールを購入した。
その当時で800ユーロ(10万円)ほどだった。
私は、その2週間後にモロッコやクロアチアを含む、4カ月の放浪の旅に出る予定だった。
パパ、クロウドは、「1週間で完成するから、旅行の前にたっぷり泳いでいけるぞ!」とウインクした。
彼は、基本的には、労働が嫌いなフランス人だ。
ただ、毎朝、フランスパンを買いに行くことなど、自分が好きなものに対しての労働力の向上は凄いものがある。
箱型プールは、自分が買いたいと積極的だったので、精力的に珍しく働いた。
プールは、結構本格的なタイプのものだ。
イメージしやすいように、完成したものをお見せしよう。
すごいでしょ。これを自分達で作るのである。
作業が始まってびっくり。
ちょっとした工事現場なのである。
寸法を測り、土俵みたいな、土台を作る。
これに2日くらい時間を要した。
コンクリートをところどころに置いていく。
これを間違えると、水漏れなどするので、慎重にやっていかないとならない。
クロウドは、暑い中、上半身裸になって、帽子を被って、がんばっているのだが、なぜか、1日が終わって振り返ると、一向に作業が進んでる感じがしないのである。
さぼっている感じは、全くない。
「手伝おうか?」と声をかけるが、遠慮してなのか、「大丈夫!自分でやるよ。」という。
そんなわけで、私は、お庭にあるハンモックに揺られて、旅行の計画を立てる。
モンペリエの夏は暑い。
暑い屋根裏部屋の窓を開けて寝ると、今度は蚊に起こされ、毎日、寝不足なので、夏の午後の木陰のハンモックのお昼寝は、最高の贅沢だ。
連日32度を超える暑さの中、がんばっているクロウドを鼓舞しようと、「あー、暑いなー。早くクロウドのプールで泳ぎたいなー」とけしかける。
クロウドは、「oui oui 大丈夫、大丈夫!旅行前のひと泳ぎできるぞー」と大口を叩く。
しかし、私の出発1週間前なのに、土台しかできてない。
クリスティーンが、私の耳元で、「Mutsi (ムッツィー)これは、無理よ。あなたの出発までには間に合わないわ」という始末。
半分諦めながらも、プール作りの行程は、楽しいので、毎日、作業を観察していた。
そして、型のはめ込み作業になった。
これは、1人では無理なので一緒にホームステイしていた、スイス人のサッシャとナディア、そして、ママのクリスティーンと力を合わせて作業した。
梯子もあるので、それを取り付ける。
ここからのラストスパートが実にすごかった。
青いビニールシートを敷き、いよいよ、水入れ!
思わず拍手が沸き上がった!
水は、最初、特別な液で洗浄する必要があるので水を貯めてから、丸1日、タンクを回していた。
夜遅くまで、作業に取り掛かった!
そして、絶対間に合わないと陰口をたたかれていたのに、締め切り日に間に合ったのである!!
ブラボー-!!
やっぱり、こういうのってフランス人ぽいなーなんて思ってしまった。
プールは、大人の腰くらいまでの深さで、入ったらとっても冷たくて気持ちがいい!
クロウドよくがんばりました!
こうして、クロウドの作ったプールで無事に泳げて、モロッコに飛び立った私であった。
モロッコは、鼻血が出るほど暑かったので、時々、あのプールに飛び込みたいなーなんて
何度か思った!
というわけで、一瞬、涼しくなったかな?また次回ー-!
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