ロシアのウクライナ侵攻とどう向き合うか?

エッセイ

よくテレビのニュースで街頭インタビューがあるが、私は、過去3回、そういう類でテレビに映ったことがある。

中学2年生の時に、テレビ朝日の「ニュースシャトル」という番組の中の「中学生通信」というコーナーで私の通っていた中学が取材された。

私は、中学2年まで、川崎の中学に通っていた。

1学年450人、10クラスの超マンモス校だった。

それこそ、その後、東大に行った子もいれば、親のアル中が原因で、不良になってしまい学校にまともに来なかった子もいた。

先生も含め、色々な人がいて、刺激的な学校だった。

この中2の10クラスが、毎週1回、クラス毎にテーマが割り振られ、今の中学生が何を思っているのか、お茶の間のお父さん、お母さんに知ってもらおうという企画、それが「中学生通信」だった。

テーマは、お父さんの事をどう思うか?お小遣いは、何に使っているか?悩みは何か?

自殺をしたいと思ったことはあるか?漫画はどれくらい読むか?

などだった。

それを見終わった後、スタジオにいる、キャスター、その時は、女優でもあった、星野知子さんとテレ朝の朝岡アナウンサーが、感想を述べる。

その当時のテレビの録画手段は、ビデオだった。

実は、我が家にそのビデオが残っていて、昨日、タイムマシーンを開けるかのように再生してみたら、懐かしい面々がいて、面白かった。

お金に関するテーマだったクラスのある男子生徒が、「お金があったら、土地を買って、投資したい。」なんて発言をしていてびっくりした。彼は、今、大金持ちなのかなー。

そうかと思えば、別の回では、「お父さんをどう思うか?」という質問に、「私の好きな少年隊をバカにしないでほしい」なんていう中学生らしい女子生徒のコメントもあった。

2年6組の私のクラスの議題は、なんと、「戦争について」という難しいテーマだった。

録画したビデオは、残念ながら、私のクラスの放送分が、その当時好きだった、光GENJIに乗っ取られて、不覚にも消えていた。。

私がテレビに出たのは、「第3次世界大戦は、あると思うか?」という質問部分の回答だった。

私は、「あると思う。」と答えた。

「どうしてそう思うの?」と聞かれて、

第1次世界大戦が終わった時に、戦争はもうしないと決めていたのに、結局第2次世界大戦が起きてしまった。だから、同じように、もう戦争はしないと今は、決めているけど、結局第3次世界大戦はいつか起こると思う」と言った。

中学生だったあの時から35年経った今。

私が漠然と思っていたことが、現実になるかもしれないという状態に世界はなっている。

ロシアがウクライナを侵攻して今日で1か月だ。

コロナになってから、世界のニュースを見るようになった。

ようやく、「マスクがいらなくなるよ」なんていう明るいニュースがヨーロッパを中心に報道されていた矢先にこのニュースだ。

1大国の狂った大統領が、自らの意志を貫く為に、人を殺している。

ウクライナの人達は、兵隊の為に、献血しようと長蛇の列をなしている。

元ボクサーのキエフの市長が、「ロシアにひざまずいて、奴隷になるなら、祖国ウクライナの為に死を選ぶ」と言っている。

男性がウクライナを守るために、国に残り、自分の家族に涙をこらえらながら、国境沿いでお別れしている。

これが、2022年、現在のニュースなのだ。

ロシアがウクライナを侵攻をした日、私は、2人のロシア人の友達に連絡をした。

2人共、ロシアには住んでいないが、親がロシアにいる。

「ロシア人」と一括ひとくくりにもちろんできない。2人の意見は、全く違っていた。

1人は、プーチンと同じことを述べていた。もう1人は、全くその逆だった。

ロシア人も被害者だ。

私は、その週末、プーチンの事を考えると、ちょっと気が狂いそうになった。

あまりにも理不尽すぎて、でも何も自分はできない。

こうして、考えている間にも次々、罪のない人達が殺されていると思うと、混乱した。

そんな時、ルトガー・ブレグマンというオランダ人が書いた、「希望の歴史」という本を勧められた。

この本の「共感を押さえ、思いやりの心を育てよう」というところにちょっと救われた。

共感は、人を消耗させるらしい。

それは、脳画像でも証明されている。

ある2つの実験がなされた。

実験1は、ルーマニアの孤児についてのドキュメンタリーを見せ、孤児のうつろな目、か細い手足を思い出すように実験者が求めた。するとその実験対象者の人達は、うちひがれて、悲観的になった。

実験2は、同じドキュメンタリーを見せた後、孤児の境遇に身を置いて、孤児の為に、感じるようにと実験対象者に求めた。

苦悩の共有ではなく、孤児への優しさ、気遣い、思いやりを呼び起こすのが目的だ。

この実験結果は、最初の実験と大きく変わっていた。

「思いやり」は、共感と違ってエネルギーを搾り取らない。

逆に、自分達にエネルギーを注入するという。確かに、共感して、悲しんでも、何も起こらない。

あの週末の私のようにただただ、気が狂いそうになるだけだ。

そんなわけで、募金をして、思いやった。

それから、情報過多を避けた。

SNSで瞬時に戦争の状況がわかるこの時代。誰でも記者になれる。

心を痛めて、怒りを生じたある映像が、フェイク動画かもしれない。

やみくもにニュースを検索するのを控えることにした。特に寝る前は危険だ。

ただ、無関心になるのは、絶対だめだ。きちんと思いやっている。

残念ながらそれしか私には今はできない。

次回から、しばらく、このブログでは、ウクライナ周辺国や、共産党の国など、私が実際に立ち寄った国を取り上げたいと思っている。

ちなみに、59カ国訪れた国の中に、ロシアとウクライナは、入っていない。

私は、どちらの国にも足を踏み入れたことがない。

まずは、次回、ウクライナからの大量の難民を受け入れている、隣国、ポーランドを取り上げたいと思う。

ポーランドも、悲しい戦争の歴史が沢山ある国だ。

それを通して、戦争というものを考えて、思いやりたい。

その他、ブルガリア、ルーマニア、また、中国のウイグル地区も予定している。

これらの投稿をする前に、この戦争が1日でも早く終わりますようにと祈り、思いやりたいと思う。

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