2012年2月末から1か月ほど、ヨルダン、イスラエル、インド、パリ、シンガポールを放浪してきた。
まず、ヨルダンを満喫。↓
そして、夢だった、イスラエルへ!
心配していた入国審査にあっさりパスし、お、これは、いい兆しと思っていた。
そんな矢先に、謎が結局解けなかった、宿が消えた事件に巻き込まれ、極寒のエルサレムで洗礼を受けたのが、前回のお話し↓
こうして、イスラエルで金曜日を迎えた。
イスラエルでの金曜日は重要な意味をなす。
ユダヤ教では、金曜日の午後から土曜日の日の入りまで、シャバットという「安息日」になる。
この間は、一切仕事をせず、安息をしなくてはならないという、単純に考えると、「ただの休息日?」なんて思うが、とんでもない!
熱心な信者は、テレビのリモコンを操作することも、つばを飲み込むことも仕事とみなし、それさえもしないようにするとのこと。
とにもかくにも、聖地エルサレムは、お店、レストランは閉まり、バスなどの公共機関も停止してしまうという旅行者にとっては大変な状況に追い込まれる。
当初は、1時間半ほど離れた死海のリゾート地に行って、ぷかぷか浮いてこようと思っていた。
しかし、天気予報を見たら、「雨、気温摂氏1℃」
そんなところで海に浮いた日にゃ、自分が死んでしまう文字通り「死海」になってしまう!!
うーむ、それではと、私がいつも試みる、地図をじーーっと見る作戦に入る。
目を南に向け、エジプト国境付近のエイラットというところが気になってきた。
イスラエルの最南端。ヨルダン、エジプトと国境を接する紅海のリゾートタウン。
エルサレムから、バスで5時間南下すれば辿り着ける。
天気も良好、気温も18度まで上がるらしいので、行先をエイラットに変更した。
前日の騒動で、やむを得ず泊まった、「独房ぼったくり宿」をチェックアウトした。
外に出たらびっくり。なんと3月に入ったのに雪が降っている。うーー、寒すぎる!
とにかくここから一時避難して気分一新しようとバス停に行ったら、この雪で一時的にバスが全てストップとのこと。
やっぱりこの時期の雪は、普通じゃなかったようだ。
安息日をそれぞれの地で迎えようとしていた人々が足止めされ、バスターミナルは、すごい人。
もし、バスが動かなかったら、この安息日のエルサレムでどうなってしまうのか、不安になりながらも、私は、このエルサレムという地で、人間観察を楽しんでいた。
ひとまず、避難する為に、モールに入ろうとしたのだが、モールに入るだけなのに、物凄い厳しい空港のセキュリティチェックレベルで、長蛇の列。やれやれ。
イスラエルで生きていくのは、本当に大変だ。
とにかく驚くのが、町にあちこちいる、兵士の物凄い数。
若い男女の兵士が普通に会話しているのだが、手には、大きな銃を抱えている。
改めてここは、紛争の地であると気が引き締まる。
イスラエルは、男女共に兵役義務があり、男子3年、女子1年と定められている。
そういえば、昔、カナダの飛行機の中で出会った、イスラエル人の一家と話す機会があった。
若い女性に、「家族旅行なの?」と聞いたら、「兵役が無事に終わったので、そのお祝いにカナダにきたわ」という。
兵役は、厳しくて大変だったそうだが、「国を守る為だから」と言っていた。
私は、その時、海外添乗員と立場で、日本人観光客を連れてきていた。
改めて、日本の平和に感謝した。
そんなイスラエルだが、兵役義務を受けなくていい人達がいる。
生粋のユダヤ教信者だ。
彼らは、兵役義務が免除され、ユダヤ教の教えに従って、布教活動を全うすることになっており、国から生活費も出ているという。
驚きの事実。
兵士に混ざり、ユダヤ教の黒の背の高い帽子にもみあげがくるくる、黒づくしの’衣装’の人がいっぱいで、異様な光景に私の目には映る。
そんな、バスターミナルの人観察をしながら、ようやく雪が止んできたので、バスが動くとのこと!
やったー、これで一時避難できる!!
こうして、雪の為の特別ルートで走ったので時間がかかったが、ようやくエイラットに到着。
風がぐっと温かくなり、バスを降りてほっとした。
エイラットは、ミニドバイみたいで、超リゾート地だった。
あの物々しい、雪のエルサレムと同じ国とは思えない。
ここは、一年中観光客で溢れているという。
特に夏は、ヨーロッパのバカンス客が、ビーチに出て、思いきり日焼けをしにくるそうだ。
また水温が20℃以下に下がることがないため、珊瑚の生息に最適で、美しい珊瑚礁の連なる海として、ダイバーの憧れの地となっているそうだ。
そういえば、昔、ダイビングの免許を取った時、そんな話しを聞いたことをふと思い出した。
アカバ湾を、左から、エジプト、イスラエル、ヨルダン、サウジアラビアが、ぐるーと囲む。
つまり、アカバ湾の向こう側には、ヨルダン、エジプトが見える。
エジプトなんて、随分遠くまできたもんだ。
こうして、エイラットで私達も安息日。
のんびり過ごし、リフレッシュした。
リベンジを試みる、聖地エルサレムの天気予報は相変わらず悪い。
この先もしばらく寒いようなので、エイラットのクロックスで長靴レインブーツを買って準備万端で臨むことにした。
つづく。
<思い出ブログ>
兵役が終わったイスラエル人の女の子と出会った時にカナダでの添乗員の時のお話し。