日本は、1月7日は、七草がゆを食べる習慣がある。
フランスは、1月6日に、アーモンドクリームの入った、サクサクのパイを食べる。
パイの名前は、Galette des rois 「王様のお菓子」という意味だ。
ただ、食べるのではない。
陶器で作られた小さな人形「フェーブfève」をパイの中に隠し入れ、切り分けて食べる際、そのフェーブが入っていた人は、当たり!となり、王様になれるのだ。
王様は、その日1日、王冠をかぶり、かつ、1年間、幸運が続くというラッキーガール or ボーイになれる。
私のホームステイしていたクリスティーンのうちでも、この儀式をした。
その日は、近所の仲良しのお友達も呼んだ。
8人ほど集まった。
ちなみにこれは、イエスキリスト様関連の行事だ。
キリスト様は、12月25日に生まれた。現代人の私達が、皆でクリスマスとして今も祝っている。
1月6日は、聖書にも登場する東方の3博士が、誕生したばかりのイエス様を祝福するために、生まれた馬小屋にやってきた日と言われている。
生後12日ほどだから、イエス様も小さかったことだろう。
3人の博士は、占星術の学者だったそうだ。
神の子と噂になったので、はるばるイエス様をお祝いしにきたそうだ。
これを1月6日の「公現祭 エピファニー:Epiphanie」という。
伝統的には、家族が集まった中で一番小さい子供をテーブルの近くに呼ぶ。
目隠しをさせて大人の誰かがガレットを切り分け、この子供に誰に配るかを指名させるそうだ。
子供に権限がある!
ガレットは、パパ クロウドが、いつも買いに行っているパン屋さんで仕入れる。
ちなみに、パン屋さんは、フランス語では、「ブーランジェリー boulangerie」という。
クロウドは、いつもダラダラしているのだが、朝のフランスパンを買いにいる時は、シャキシャキ行動する。
これが個人的にいつもつぼで、笑ってしまう。
パン屋さんには、ガトー gateauと言われる焼き菓子や、ケーキも売っている。
なので、美味しいブーランジェリーは、ガトーも美味しい。⇒(訳)美味しいパン屋さんは、ケーキも美味しい。
ケーキ1ホールの大きさのガレットデロワ。
箱には、紙でできた、王冠と小さな人形フェーブが入っている。
フェーブは、ちなみに、ソラマメという意味だ。昔は、陶器の人形ではなく、ソラマメを入れていたらしい。
この日の、フェーブを入れる権限を得たのは、クリスティーンが呼んだお友達のダビットだ。
ガレットを裏返し、フェーブを埋め込む。
その間、私達は、目をつぶる。
ダビットは、入れ込んだ後、ガレットを上にひっくり返して、戻す。
そして、クリスティーンが人数分切り分ける。
誰にフェーブがあたるかわからない。
そして、「いただきますーー」と食べる。
小さいフェーブを飲み込まないように、慎重に皆、かじる。
「あった!!」と別のお友達が手を挙げた。
皆で拍手ー。
そして、王冠が授けられた!
大人が、みんな楽しそうにしていて、かわいいなーと思った。
ガレットは、さくさくでとっても美味しい。
アーモンドクリームもほどよく入っているので、甘さ控えめでいい。
ところで、昨日、日本橋にある、メゾンカイザーにいったら、小さいサイズのガレットが売っていた。
「おー-、日本にも、ガレットあったのかー!」と超久しぶりに食べた。
「ちょっとオーブンで温めて、白ワインと合わせるのがいい」と書いてあった。
あと4分の1切れあるので、今晩、試してみようと思う。
色々見ていたら、日本でも今月いっぱいまで売っているところが結構あった。
もし機会があれば、皆さまも一度是非、試してみては?
フランスの昨日のニュースでは、マクロン大統領がワクチンを打たない人に対して、いらだちの態度を表し、また物議を醸している。
まだまだコロナがトップニュースであるが、そんな中でも、フランスの食卓では、1月6日は、ちょっと皆、王冠をかけて、ワイワイ楽しくやっていればいいなーなんて思っている。
というわけで、おしまい。またねー-。
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