Day 10 // 2003年6月23日 午前中
サハラ砂漠で寝たり、結婚祝いの宴に参加した、濃かったZagoraが終わり、Erfoudに移動だ。
バスで、約300km, 4時間かかるといわれた。
朝、3時半に起きて5時のバスに乗り込む。また地元民だらけのバスだ。
今回も車掌ぽくない2人の男性がいた。これは、もう車掌と認めよう。笑
バス代は、75DH(900円)と言われた。10分前に聞いた時は、70DH(840円)だった。
なので、70DHで押し切った。荷物代も10DH(120円)請求されたが、これはこの前もあったから、騙されてないはずだ。
その横で、喧嘩が始まった。私がふっかけられたように、「車掌」の彼らがモロッコ人にもふっかけているらしい。
本当に何が何だか暑さも加わり、わからなくなって、頭がぼー-っとしてきた。
鼻血が出ませんようにと祈った。
何か飲もうと、オレンジジュース売場に行った。モロッコでは、搾りたてのオレンジジュースが美味しい。
そしたら、ここでもまた、2DH余計にピンハネしようとする。また断固拒否。
いやいや、毎回、こんなものとの戦いだ。
お金が惜しいのではなく、騙そうとする気持ちが許せないと戦っている。
バスは、60人乗り座席がびっしり埋まっていた。
出発して、乗り降りがまたあちこちで始まる。
ピーク時は、80-90人の乗客に膨れ上がった。この国のバスの定員は、無限大だ。
訳の分からない、何ー--にもないところでしょっちゅう止まって、色々な人の乗り降りがある。
バスが止まれば、子供達がカップを持って、「水、いりませんかー」とどこからともなく乗り込んでくる。
気が付けば、物乞いの人も乗り込んできている。
静かで雄大なモロッコの景色をゆっくり眺めたいものの、なんやかんや、色々な人が次々、話しかけてくる。
この日は、おじさんが、「日本のアメリカ寄りの考え方」という題材を私に投げかけてきた。
そこから、「イスラム教をどう思うか?」さらに、「それでは、ユダヤ教はどう思うか?」と話しが進行した。
「イスラム教を信じるか?」と聞くので、「Non.信じません」と言ったら、コーランや神様、アラーの話しを永遠に始めた。
「死後の世界を想像してごらん?」と言ってきたので、「死んだら、それまでだと思います。」と言ったら、また諭すかのように、空や、大地の訳の分からない話しをし始めた。
イスラム教でも何教でも、信仰するのは、人それぞれでよろしい。
神様を信じるのに、なんで、人を騙して、1DHでも取ろうとするんだろうって、信用できなくなる。
こんな人達に、「神様を信じている。」と言われたって、私の心には何も響かない。
神だなんていう前に、己の心から立て直せ!とイライラしてきた。
こうして、4時間と聞いていたが、結局、6時間のバスの移動になった。
でも、あっという間だった。それにしても、いやはや、疲れた。
地元民ばかりのバスも凄かったが、もっと凄かったのは、タクシーだ。
ここでは、タクシーは、乗り合いなのである。
私は、スーク(市場)のある賑わったロータリーでタクシーを見つけて、行き先をドライバーに告げた。
「4人足りないから、揃ったら、出発する。」と言う。
すると、あれよあれよという間に、人数が揃った。
ちなみにこのタクシーは、普通のセダンのタイプ、5人乗りだ。
つまり、私の常識でいうと、ドライバーを入れないで、4人が乗車できるはずだ。
私が既に1席を取っているので、正しくは、「3人足りないから、揃ったら出発する。」という私の聞き間違いだと思っていた。
しかし、助手席に女性が1人、後ろに男性3人+私=4人のギュウギュウ詰めの乗客5人。
これにドライバーを合わせて6人という恐ろしい人口密度の高さとなった。
きついが、仕方がない。
そうしたら、今度は3人がやってきて、自分達も乗りたいという。
当然、ドライバーが断ると思ったら、「OK!」というのである。
ん????????????????????????????????
なんだ?なんだ?どういうことだ?
頭がおかしくなってきた。
乗るって、どこに乗るんだ??
そうしたら、助手席に座っているイスラム教の女性と同じ椅子に座れる権利が、女性の私しかないので、私が、彼女と助手席1席に2人で座ってという指示を受けた。
しつこいようだが、また言わせてもらう。
車は、普通のセダンタイプ。下の写真に出てくるようなものだ。
この暑さの中、肌がこのイスラム教の女性が着ている、ヒジャブにべったりくっついた状態でタクシーに乗らされるはめになる。
「忍」の一字だ。
モロッコにいると、女性と話す機会がなかなかない。
今回は、この助手席の女性がフランス語を話せた為、色々、お話しができた。
でもやっぱり、最後に彼女も、家族の食事に私を誘った。
そして、断った。
もしかして、下心がなく、好意で言ってくれているかもしれない。
でも心を鬼にして、やめておくことにした。
乗り合いタクシーの超過人数の多さが凄まじかったが、別のタクシーは、ヤギを後ろのトランクに荷物と一緒に押し込んで、トランクを開けっぱなしにしながら、走行していた。
モロッコのタクシーの「常識」は、日本人の私のそれと全く違った。
「無理」という言葉は、ここでは、通用しない。たくましきモロッコ人である。
鼻血が出そうになった。
色々あるが、モロッコはいい国だ。
つづく。
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