私は一人旅が大好きだ。
これまで、珍しいところだと、モロッコ、ブルガリア、ルーマニア、カンボジア、バリなどもある。
「よくできるね、寂しくないの?」と言われる。
これは、フランス、スペイン、コロンビア人などのラテン系の友達に特に強く言われる。
寂しいなんて思ったことは1度もない。逆に多くの人と出会える。
もちろん家族や友達との旅行も大好きだ。
ただそういう場合、新たな出会いはずっと少なくなる。
1人だときっと声をかけやすいのだと思う。
私は、例えば、スペインなら、1人でバルのはしごをして、飲み歩くし、アイランドに行けば、ギネスを飲みに、パブのはしご酒を1人でもする。
人間観察が好きなので、周りにいる人を見ながら、それこそ、今日あったことを日記に書いたり、お友達にハガキを書いたり、明日の予定を立てるのに、ガイドブックを読んだり、いくらでも時間を費やせる。
そうやっていると地元のおじちゃんやら、カップルやら、同じ観光客の人やら、はたまた異国で会う日本人だったりが声をかけてくれる。そこで、色々な出会いが生まれるのである。
安宿ドミトリーも、出会いの宝庫だ。
1995年6月30日に1年の滞在予定で、片道航空券でシドニーにやってきた私。
最初のユースホステルのキッチンで私はオージーのアランという男性に会った。
彼には、3人の小学生の子供がいた。
一番下の娘さんが生まれてからすぐに奥さんが皮膚がんで亡くなったそうだ。
その娘さんも7歳になり、気晴らしにメルボルンからシドニーに1人で来たそうだ。
警察官で年齢を重ねても、ユースホステルに泊まるっていう感覚がものすごいいいと思い、ぐっときた。
シドニーには、ボンダイビーチという素敵な場所があるから、一緒に行こうと誘ってくれた。
生まれて初めて「カプチーノ」を飲んだ。美味しくてびっくりした。
私が初めてのオーストラリアでこれから1年、1周旅行を計画していると話しをした。
アランが住む、メルボルンには、2週間後くらい行く予定だった。
アランが、「それじゃあ、メルボルンでまた会おう」と言ってくれた。
そしてメルボルンに行った。7月のメルボルンは、とっても寒かった。
オーストラリアの暖かい気候は、北の方角だ。南半球に自分がきたのだと体感した。
アランは、その当時のガールフレンドと一緒に車で迎えにきてくれて、メルボルン観光をしてくれた。
そしてその晩、自分の父親の68歳の誕生日パーティーがあるから、よかったら来ないかと誘ってくれた。
それが、ケネディおじいちゃん、おばあちゃんという「私の人生の神様」との出会いだった。
突然、おうちにお邪魔したら、20人くらいお祝いにきていた家族に
「ジャパニーズガールの登場だよー」とアランの紹介で盛大な拍手で迎えてもらった。
ちなみにアラン以外は、初対面だ。それは、私にとって、衝撃的な楽しい出来事だった。
皆、全く壁を作らず、大歓迎で迎えてくれた。
アランのかわいい子供3人にも会い、翌日はその3人とケネディおじいちゃんと一緒に動物園に行き、3人の手を引いて歩き回った。
ケネディ夫妻は、冬になれば太陽を求め、キャンビングカーを借りて、数か月旅をしていた。
オーストラリアの行ってない場所はない。
これから旅する私に、大きなオーストラリアの地図を広げて、お勧めポイントを教えてくれた。
それが「地球の歩き方」に載っていないところばかりだった。
行く予定のない地名を聞き、せっかくだから行ってみようとなると、素晴らしいところばかり。
その度にそこから絵葉書を送って報告とお礼をして、やり取りを旅の間も続けた。
自転車でタスマニアを周りたいと思った時、拠点となるのが、ケネディさんの住むメルボルンだった。
資金を稼ぐのに一番長く滞在したが、それはケネディさんたちがいたからということもある。
彼らは贅沢をしないで、物凄く楽しむことを知っている。
アランが大人になってもユースホステルに泊まる理由がよくわかった。
68歳のお誕生日をお祝いしてから、今年の7月で94歳になった。
夫婦共々、お元気だ。
アランの手助けでこの前、ビデオ通話もした。
耳が遠いとか、足が不自由になったとはいうものの、そんなことをちっとも感じさせない。
私の元気の源だ。
私の友達もたくさん紹介してその度に自分の孫の友達を迎えるように優しく迎えてくれる。
人柄、生き方、全てが私の理想である。
この二人のおかげで、クリスマスや誕生日のお祝いなど、何度も家族に混ざって体験させてもらった。
ケネディさんだけでなく、今も1人旅で出会ったことで友情が続いている友達が、私にはありがたいことにあちこちにいる。
10年後に再会っていうこともある。写真を並べて、さながら人間のビフォーアフターだ。
一人旅は、人によって合う、合わないがあると思う。
だから、無理をしてやることは、決してない。自分にあった旅をするのが一番だ。
ただ、「寂しくないの?」と聞かれたら、私は、大きな声で、「NO、全く寂しくないよ。」と自信を持って答えられる!
次の一人旅は、どこにしようかなとまた地図を広げてしまった!
というわけで、またねーー!
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