Day 6//2003年6月19日
アラブ圏に来ると、私の旅の信念
「信じるものは、自分だけ」
「念には念を」
という思いがより一層強くなる。
とにかく、ある意味、毎日が戦いだ。
![](https://mamacreamsoda.com/wp-content/uploads/2021/11/knight-g70dec091c_640.png)
このシリーズの最初にも述べたが、私はここにきてから、自分の身をいつも偽っている。
以下は、私のついたさまざまな嘘。
「結婚している」
「ボーイフレンドがフランスにいて、一緒に暮らしている。今回は、私だけ、バカンスでモロッコに来ている」
「職業は、フランスでジャーナリスト」
「フランスの大学で、現在、経済学を学んでいる」
「モロッコの旅行には、ボーイフレンドと来ているが、彼は、今、体調が悪くて、ホテルで寝ている」
「モロッコに友達がいるので、彼らを訪ねにここに来た」
などなど。
全て偽りだ。
でもこれは、正当防衛。
![](https://mamacreamsoda.com/wp-content/uploads/2021/10/9f4b815cda133249731fe3d839b69ee7.png)
正直でいい人になってしまったら、勧誘などを断るのに大変でキリがなくなる。
彼らは、自分達の目的を達成する為に、楽しい話しで時間をかけて、私の心をまずほぐす。
そして、本題をクライマックスに持ってくるのだ。
それは、夕食の招待、お店の勧誘、自分がガイドをする、など。
あー、やっぱり、そうきたかーと私のほぐれていた心が一気に、鉄の固さに戻り、防衛機能が働き始める。
お誘いは、どんなに良さそうな人でも断る。それも早めがいい。
![](https://mamacreamsoda.com/wp-content/uploads/2021/10/No.png)
遅くなればなるほど、断りにくくなるからだ。
人を信用できないのは、残念だが致し方ない。
ここで、本当の友達を作るのは、無理なようだ。
でも、皆、基本的には、とてもいい人達ばかりだ。
ただ、私は、結局は、先進国日本の観光客なのである。
アラブ語を話せれば、もう少し、対等な立場になれるのかもだが、所詮よそ者だ。
![](https://mamacreamsoda.com/wp-content/uploads/2021/11/monster-.png)
ツーリストである以上、互角には色々な面でなれないという現実を改めて知る。
Day 6 続き// 2003年6月19日 午後
モロッコのSOUK(スーク)は、楽しい。
スークとは、市場の事だ。
![](https://mamacreamsoda.com/wp-content/uploads/2022/02/souk-g14b0816ce_640.jpg)
私は、どの国に行っても、必ず、市場に行く。
地元民の生活がわかるし、人々が皆、「生きてるなー---」という生命力を受けるこの感覚が好きだからだ。
ちなみに私は、今、ZAGORA ザゴラというところにいる。
![](https://mamacreamsoda.com/wp-content/uploads/2022/02/zagora-1.jpg)
アラビアのロレンスの町、ワルザザートから3時間ほどかけてまた地元民いっぱいのバスに乗って着いた場所だ。
35DHだった。420円ほど。
ZAGORAのスークは、暑い青空の下でやっていた。
とにかく暑い。熱い。もう40度以上の灼熱だ。
![](https://mamacreamsoda.com/wp-content/uploads/2022/02/sun-g3c82754ed_640.jpg)
野菜、果物、洋服、ガラクタ、お茶セット、お盆、靴。こんなものが売られている。
異国情緒を感じるのは、羊や馬、ヤギ、ロバの売買を見る時だ。
いくらなのか、見当もつかない。
モロッコは、まだまだ、馬車やロバが車代わりの重要な役割を果たしている。
![](https://mamacreamsoda.com/wp-content/uploads/2022/02/79383-1-rotated.jpg)
そういえば、変な人祭りだった、マラケッシュの鶏肉屋さんは、強烈だった。
鶏が、檻にいっぱい詰められている。お客が指を指して、その中の鶏を選んで購入する。
すると、まだ小学5年生くらいの男の子が、鶏を檻から鷲づかみにして、取り出す。
そして、躊躇なく、くちばしに自分の指を入れて、窒息死させる。瞬間の出来事だ。
それから、ご臨終となった鶏が専用の機械に入れられる。
羽がバサバサ落ちて、もぎ取られている。
どひょー---
![](https://mamacreamsoda.com/wp-content/uploads/2021/10/surprise.jpg)
血の気が引く。
そして、内臓を解剖して取り出し、お客に渡す。
注文してからここまで、ものの5分の出来事だった。
「新鮮」な鶏肉の売買が終わった。
なんだか、モンペリエの大学の授業で、
「狩猟に反対か、賛成か?」
「動物を殺してまで、肉を食べる必要があるのか?」
なんてディスカッションしていたのが、2カ月前なんて信じられない。
あまりにも世界が違いすぎて、遠ー---い異国の話しに聞こえてくる。
まあ、そんな、めまいがしそうな場面も含めて、やっぱり、スークは、いい!
「私、今、生きてるー--」」っ実感するのである!
さあ、明日は、サハラ砂漠に行く!楽しみだ。
次回をお楽しみ!
↓
![](https://mamacreamsoda.com/wp-content/uploads/2022/02/Mutsi-thank-you.jpg)
コメント