Day 15//2003年 6月28日
モロッコ、カサブランカにて、思いがけず、フランス人のマガリという、いい友達に出会い、せっかくだから、ちょっと奮発して、おしゃれなレストランに行こうということになった。
港の近くのロケーション。中庭がある素敵なレストラン。
ここで、魚のタジンを注文した。タジンは、110DH
これに、ノンアルコールのカクテル、その名も、「exotiqueカクテル」38DH(456円)っていうのを注文した。
合計金額、165DH(1,980円)
今までの約5倍の値段だ。
でもそれに匹敵する味だった。
この魚のタジンが、絶品!!
ソースと魚の絡みが、非常によく、二人で、美味しさから、「うー-ん、うー-ん」と唸った。
舌鼓を打つというのは、まさにこれだった。
夜、ハマムに行った。
ハマムとは、海外の銭湯のようなものだ。
アラブ諸国の中東をはじめ、特にトルコやモロッコでは伝統的な文化として根付き、地元の人からも親しまれている。
銭湯とはいうものの、実は、浴槽がなく浴室は蒸し風呂となっている。
ぬるめのサウナのような施設だ。
蒸気で汗を出し、体を芯から温め、お好みで温まった体を垢すりやマッサージをしてもらうという入浴方法になる。
私もモロッコでは、初体験だ。
今日は、「贅沢DAY」なので、ハマムもちょっといいところにした。
通常は、6DHくらいが相場だが、10倍する60DH(720円)のところに行く。
Les Bains Ziani というところ。
マガリは、裸になるのをやけに恥ずかしがっていた。
でも、人生初めてのハマム体験に感動していた。
韓国でやった、マッサージを思い出した。大理石の水道から、お湯と水が出てきて、桶にためて
体を洗う。
私は、この数週間のたまった、モロッコの汚れをゴシゴシと洗い流し、4回も洗った。
特に、足の裏が気持ちよく、最高だった。
もう、毛穴から、垢をすり出した。
その後、サロンと言われるお部屋で横になった。
ぐったりと疲れが押し寄せた。
歩きたくなかったが、私達の城、YHAにしばらくしてから戻った。
マガリは、私のフランスでのホストファミリーのクリスティーンや、クロウドの要素がある、典型的フランス人だ。
例えば、文句があると、ぐわー---っとまくし立てて言ってくる。
それは、ハマムを私達が探している時に起きた。
道に迷ったので、道行く人に場所を聞く。
Allez tout droit et tournez a droite「 まっすぐ行って、右に曲がって」
と最初に言われた。
そして、右に曲がって、見つからないので、また聞くと、その人も、そしてまた曲がって別の人に聞いても皆、同じ答えなのである。
私は、それに気が付かなったのだが、マガリが3人目に聞いた後、突然、物凄い勢いで、
「これは、パリと一緒よ!皆、口を揃えて、tout droit et tournez a droite まっすぐ行って、右に曲がって言うの。いつもいつも。
知らないって言わないの。これじゃあ、いつまで経っても辿り着かないわ。もう自力で探す!」
とそりゃ、まあ、お怒りマガリ様なのである。
クリスティーンもクロウドもこういうところがあった。
でもそれだけなのである。
言った後は、けろっとしていて、怒りはとっくにどこかに行ってしまっている。
それが瞬時で変わるので、私の方が切り替えにもたつく。
マガリは、同棲しているボーイフレンド、(フランス語では、コパンという。)がいるのだが、結婚する気は、全く持ってない。
「結婚は、書類上の紙(パピエ)だけのものよ。」だと。
紙は、フランス語でパピエという。この軽いーー響きが私はなんか好きだ。
ご存じの通り、フランスは、籍を入れない事実婚の人が非常に多い。
結婚してもしなくても、ほぼ同等の権利が得られるから、わざわざしないという、社会の仕組みが大きいと思う。
ちなみにフランスは、子だくさんで、3人子供がいるカップルが結構多い。
事実婚でも、シングルママでも、子育てしやすい環境だ。
こうして、マガリといういいお友達がまたできた。
もっと一緒にいたかったが、マガリは、もうこれ以上の日程の変更が不可能だった。
翌日のバスでカサブランカを出るので、バス停まで見送ったが、また、話しが盛り上がって、次のバス、またその次のバスと延ばし延ばしになりながら、お昼過ぎに、「今度はパリで会おうね。」と言って別れた。
その数か月後にパリで再会した。
マガリは、その後、コパンとの間に子供が出来て、私は、8年後に再会している。
こうして、カサブランカを私も離れ、6月29日にマラケッシュに2週間ぶりに戻った。
いよいよモロッコ旅行のゴールが見えてきた。
つづく
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