Day 14 // 2003年6月27日
カサブランカにやってきた。
モロッコに来て、初めて、電車に乗った。
1時間15分。カサブランカは、モロッコ最大の都市だ。
首都と最大の都市を結ぶ交通網。電車は、30分おきに出ている。
砂漠の民だったザゴラの長距離バスなんて、1日2本とかだった。
モロッコは、北と南の格差がすごいんだと思う。
電車は、2等車で29.5DH。(約350円)
カサブランカという昔の映画を見たことはあるだろうか?
恋人同士だった男女のやるせない再会劇。
皆が集う、カサブランカのお洒落なバーとフランス国歌のラマルセユーズの場面展開が印象的な映画だ。
そんな粋なイメージだったカサブランカ。
しかし、足を踏み入れたら、作られた大都市、シンガポールのようなところで、ノスタルジックな要素は何もなく、自分の思い描いてたカサブランカではなかった。
町の見どころは、映画の最初にも出てくる立派なモスク。
以上!
あー、終わっちゃった。
まだ寝るには、早いが、屋台のホットドックを食べて、部屋に戻った。
今回もまたYHAに泊まった。
実は、別のホテルに最初泊まる予定だった。
事前に電話をして、値段を聞いておいたのだが、いざ、到着して、提示された値段が、物凄い高かった。
駅から、18kgのバックパックを担いで、ようやく辿り着いたのにだ。
ジャコブ兄弟に出会ってなかったら、このバックパックの重みと暑さに負けて、お金で解決と、高い部屋代を払ったかもしれない。
しかし、今の私は、あの兄弟から、モロッコ人にぼられないためのテクニックを学んだのだ。
「この値段は、話しと違う。払えない。」と断固拒否して、出てきた。
そして、YHAに泊まったのである。
2人部屋ドミトリーだった。
とりあえず、シャワーを浴びようとしたら、同部屋の女性が入ってきた。
「Salut, ca va? こんにちは、元気?」とフランス語で挨拶された。
マガリとの出会いである。
フランス人。パリ在住。職業、フランス語の教師。
「カサブランカ、どう思う?」と立て続けに聞いてきたので、「特に魅力ないなー。」と言ったら、「おー------、私も一緒ー--!!」とその答えを待っていたかのようにはしゃいでいた。
それから、話しのオンパレードで、そのまま外出しようということになった。
とにかく話しが尽きないのである。
映画の話しになり、私が、「アメリの映画大好きなんだよねー」と言った。
主人公のアメリがとってもユニークで可愛いのだ。
そうしたら、「アメリって私のことよ。私はアメリ。」と真面目な顔で言うので、うけた。
本気で言っているようだった。こういうぶっ飛んだ人は好きだ。
カフェでお茶をした。
外のテラスに座って、ミントティーを飲んでいたら、不気味な微笑みをうかべる、穏やかそうなおじさんが、ゆっくり近づいてきた。
そして、マガリのミントティーにそー--っと手をかけ、飲もうとしたのである。
え???誰、あんた??何するの??と一瞬、フリーズする私達。
そして、その数秒後、一斉に我に返り、周りの人と共に、「NOー-----」と大きな声で私達は、叫んだ。
彼は、その手を一度止めたのだが、また、ムフフーーと笑みを浮かべて、マガリのミントティーを私達の目の前で堂々と飲み干したのである!!!
あー-------
変なおじさんー----
一同絶句。。
そして、その静けさの中、おじさんは、するー--っと静かに立ち去り、消えた。。。。
私達は大爆笑!!笑いのつぼ、ドンピシャすぎた。
こうして、退屈な夜になると思っていた、カサブランカの初日の夜が、思いがけず、楽しいものになった。
あの時、踏ん張って、ホテルを変えてなければ、マガリに出会ってなかった。
ジャコブ兄弟にここでも感謝。
マガリは、翌日、カサブランカを去る予定だった。
でも、お互い、気が合いすぎて、「もう1日、カサブランカに泊まる!」と言ってくれた。
首都ラバトの時と同じような事がここで起きた!
さて続きは、また次回に!本日はここでおしまいー
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