神奈川県、小田原市にある、江之浦測候所に行ってきた。
ここは最近、箱根のツアーにも組み込まれていることが多い。
海外のインフルエンサーが紹介して人気が出たという噂。
こちらがまずホームページ。
何やら景色がよさそうな場所みたいだ。
チケットは予約制。
今回は、午後の予約。
予約していた14時のバスで、最寄り駅の「根府川」から送迎してもらう。
駅のホームから海が見える。
バスに乗って、5分ほどで会場に到着。
ここは写真家、建築家である、杉本博史氏が、元々、みかん畑だったこの地に、作った。
ここに、彼のコレクションを紹介するギャラリー、野外舞台、茶室、庭園など、様々なコンセプトのものをかき集めている。
大きく分けて2つのセクションに分かれている。
見学時間の目安は、2時間から2時間半という案内があった。
到着後、参道を上り、赤沢蜂巣観音と神社のようなところを通り過ぎ、待合棟に出向き、チケットを見せる。
ここで、受付済みの証明として、シールを左胸に貼るようにという指示がある。
また案内が記載されたガイドブックを受け取る。(これ大事!)
海に囲まれた素晴らしい景色。
ロッカーで大きな荷物を預けて、見学スタート。
早速、長い回廊を海に向かって歩く。
「夏至光遥拝100メートルギャラリー」という名前がつけられている。
海抜100メートル地点に100メートルの長さのギャラリー。
この回廊を外からみるとこんな感じになる。↓
最初に申し上げだが、ここは、「江之浦測候所」と呼ばれる。
「測候所」とは、
その地方の気象を観測し、天気予報・暴風警報などを発し、また地震・火山(の噴火)の観測をする所。
という。
そう名付けた意味がなんとなくわかってきた。
「夏至」の他に「冬至」名付けられた場所もあり、自然光を意識して作ったようだ。
ギャラリーの先では、こんな景色が迎えてくれる。↓
お天気にも恵まれ、最高の景色。
「地球は丸いなー」って感じる。
次は、「光学硝子舞台と古代ローマ円形劇場写し観客席」という名のついた場所。↓
こちらも「測候所」にちなんで、冬至の軸線に沿って設計されているという。
上記の写真の四角の舞台は、檜の上に光学硝子が敷き詰められたものだそうだ。
京都清水の舞台の懸造りというものだそうだ。冬至の朝、硝子の小口に陽光が差し込み輝くらしい。
下から見ると、こうなっている↓
観客席は、イタリアの古代ローマ円形劇場移籍を再現したそうだ。
その横にある長い回廊に立ってみる。
海に飛び込みたくなる。
次にこの舞台の後ろ側にある、「石舞台」とは、能舞台の寸法を基本として作られた。↓
この辺りは、正直、見学前にもらった、ガイドブックの説明を読んで、「なるほど」、とうなずいたが
説明がないと、価値がよくわからない。
これがアートと言ったところか!!
その周りにも苔や石が飾ってある。
また、ガイドブックを読んで、その石が、江戸時代の吉野街道と高野街道にあった道しるべだったり、室町時代の井戸枠だったり、天平時代の東大寺七重塔磁石だったりと、知ることになる。
その説明を読んで、後付けで、遅れて、感心するという公式。
何せ、天気がよくて景色が素晴らしくて、あちこち、無造作に置かれているオブジェは、ちょっとした演出として置かれている小道具のような感じにしか見えないのである。
でも実はこれらは皆、価値があるものなのだ。
箱根彫刻の森美術館みたいって思った。
さて、その先は、2つめのセクションの竹林エリア、みかん畑コースになる。
杉本博史氏がこの地を選んだのは、小さい時に電車から眺めていた景色がちょうどこのみかん畑の辺りだったそうで、彼の心象風景になっているからだそうだ。
この竹林とみかん畑をそのまま残して、ところどころに彼のアートや、↓
彼のコレクション、例えば鎌倉時代の五輪塔や、明治時代の信楽焼きの狸を石で造形したという面白いものがさりげなく飾られている。↓
この後、さらっと見て、通り過ぎたのだが、またガイドブックを読んだら、とんでもないものだったことがわかり、戻って見に行ったものがある。
「被爆宝塔 塔身」というものだ。
これは、1945年8月6日の広島原爆投下時に爆心地近くにあった、石造宝塔の塔身部分だった。
屋根の部分は、熱線と放射線により瞬時に破砕された。↓
やっぱり説明がないと、価値がわからないままで終わってしまうので、入場の際にいただくガイドブックは必見だ。
みかん畑エリアに入ると、「柑橘山 春日社」という神社がある。
現存する最古の春日造りの姿を残す、奈良、円成寺の春日堂を採寸し写したそうだ。
ここからの景色も素晴らしかった。
その後も相変わらず、転々とあちこち、すごい価値のものが、さらっと置いてある。
桃山時代の隠れキリスタン地蔵像も興味深い。
表は、お地蔵さんが描かれているが、後ろを見ると十字架が刻まれている。↓
古墳時代の石像鳥居の奥には、茶室もあった。
これも時代を超えたコラボアートだ。↓
こうして、最初のギャラリーエリアに戻ってきた。
「円形石舞台」が出てきた。↓
この舞台から写真でいうと、右側の、↑茶色の長方形の入口を歩いて行くと、海につながる。
最初に見た、「光学硝子舞台と古代ローマ円形劇場写し観客席」のところにつながるわけである。
この場所は、「冬至光遥拝隊道」と名付けられている。
一年で最も日照の短い、冬至の朝の日の出がこの回廊の中を照らすのが名物らしく、私が読み込んでいたガイドブックの表紙にもなっている。
こうして気が付けば、最終のバス16時半になってしまった。
2時間半、たっぷり時間を使ってゆっくり回ることができた。
帰りは、小田原で海鮮丼とビールで乾杯!
楽しい休日になった。
皆さまも是非、機会があったら、行ってみてください!
<思い出ブログ>
去年の今頃は、あまちゃんツアーしてたなー!!