以前、ニュージーランドで、友達が自分の30歳の誕生会を開いて、びっくりした話しをした。
その友達のシンシアの実家に、仕事帰りの金曜日からお邪魔して、1泊してきた。
今日は、お宅訪問レポートをしたいと思う。
シンシアは、KIWI(ニュージーランド人)だ。
長野の車山のスキー場で21歳の時に出会った。
お宅訪問は、私が30歳の時にニュージーランドのオークランドで働いていた時に実現した。
彼女の実家は、オークランドシティから車で40分ほどのPokenoポケノという町。
シンシアは、その当時、オークランドで、フラットメイトと一緒に市内に住んでいた。
日本人なら、通勤時間40分なんて普通だが、Kiwiは、通勤にそんなに時間をかけるのは、無駄と思っている人が多い。
週末によく実家に帰るので、私も便乗して泊まらせてもらうことになった。
シンシアに出会った頃は、メールがない時代だったので、私達は、文通をしていた。
シンシアの住所の、「POKENO」って可愛い響きだなって思って、毎回手紙を送っていた。
だから、実際にその住所の町にこれから向かうんだと思ったら、不思議な気持ちになった。
車で40分って東京だとそれほど景色が変わらないが、ニュージーランドは、もう別世界になる。
一気に人や建物が見えなくなり、「カントリー」という感じの景色になる。
羊や牛が小高い丘にあちこちいて、私がイメージしている、「ニュージーランド」という風景に出会える。
「ここを曲がったところが、私のうちよ」と運転していたシンシアが言った。
砂利道になり、車ががたがた揺れる。
周りには、何もない。
一体、どこが家なんだろうと思いながら、ドンドン車は、進んでいく。
そして、門が見えた。
シンシアの実家の敷地に入り、小高い丘に家があったが、そこに辿り着くまで、またかなりの距離だった。
その中で、羊とたくさんのオオツノジカが私達をじー--っと見ていた。
おー--すごい!これは、ファームステイ体験になりそう。
鹿の数は、300頭だという!
お父さんがオオツノジカの大ファンで、趣味で飼ってるそうだ。
本業は、家族経営での自動車の修理会社だという。
すごいでっかい趣味だなーなんて感心してしまった。
ようやく玄関に辿り着いた。
家に入る前に、「散らかっているけど、気にしないでね。」と言ってきた。
これは、日本人の私もよく使うフレーズだ。
しかし、シンシアは、ここからが違った。
日本人は、そうはいいながらも、物凄く綺麗にしていて、お客さんを迎える。
しかし、シンシアの家は本当ー------に物凄い散らかっていた。
私のフラットメイトのコロコロコロンは、埃1つでギャーギャーいう男だ!
シンシアと住んだら、卒倒すると思う。
というか、1日でもうお互い家を変えるだろう。
まあ、そんなわけで、私も気楽にシンシアの家に足を踏み入れることができた。
家は、7部屋もある大豪邸だ。
とにかく広い。部屋のあちこちに鹿の角が飾られていた。
お父さんの鹿好きが伝わる。
ご両親と対面した。
お母さんは、とっても優しい人。
お父さんは、おちゃめな人だった。
お父さんが私をトラクターに乗せて、農場を見せてくれた。
オオツノジカは、オス、メス、別々に分かれて育てられていた。
トウモロコシの入った、バケツを持ってお父さんがエサを与えている。
お父さんには、とても鹿が慣れているのだが、鹿は、私達を警戒していた。
お父さんに「静かに見るように」と言われた。
今度は、お父さんのお気に入りの鹿を見せてくれた。
何せ300頭もいるので、私には、区別があまりつかない。
「名前は、ついているの?」と聞いたら、「もちろん!」というので、試しに「あの鹿ちゃんは?」って聞いたら、すぐに答えた!
それから、この大きな角を切る場所に案内された。
鹿の角は、1年経つと、自然に折れるそうだが、その前に、立派なものを切るそうだ。
角を挟み、角に麻酔を打ち、のこぎりのようなもので切る。
麻酔がかかっているので、痛くないそうだが、切る前に、鹿がその場面を見てしまうと、怖がるので、目に入らないようにカーテンが引かれていて、病院のようだった。
角は、お父さんのただのコレクションだ。
また、コンテストもあるので、それに出品するそうだ。
また、中国人が、漢方にこの角を使うのが人気らしく、中国マーケットに需要があるそうだ。
(これは17年前の話しになるので、今は、禁止などされているかもしれない。)
地下の倉庫に行くと、スーパーのアイスクリーム売場にありそうな、大きな冷凍庫に、角が凍らせてたくさんあって、度肝を抜いた。
なんか、シュールで、笑えた。
お父さんは、鹿の言葉がわかるという。
「何か喋ってみて!」とリクエストしたら、「ウォンウォン」とニヤニヤして言った。
「どういう意味?」と突っ込んだら、「今、元気?っていう意味だよ!」とウィンクしながら、おちゃめに笑った。
うける!
夕食は、お母さんの手作りでサーモンのグリル、グリンピース、ニンジンのゆでたもの、フライトポテトに、ポテトのグラタン風、オーブン焼きだった。
お母さんは、普段、魚を食べないそうだが、私が日本人ということで、料理をしてくれた。
ちなみに魚は、ニュージーランドでは、高級食材だ。
チキンが1キロ10ドル。
その当時のレートで600円くらいに対してサーモンは、1キロ27ドル。(1660円ほど)
3倍近い。
お母さんの気遣いが嬉しかった。
そして料理はとっても美味しかった。
その夜、面白い体験をすることになるが、続きは、また次回に!
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