オーストラリア旅行に観光で訪れたことがある人は、多いと思うが、タスマニアに行った人は少ないと思う。
オージー(オーストラリア人)でも行ったことがないという人は結構いる。
オージーは、タスマニアの事を「タジー」と敬愛を込めて呼んでいる。
オーストラリアを8か月でバスで1周した私は、残り4カ月の滞在でもう一つしてみたいということがあった。
それは、「タスマニアを自転車で周る」ということだった。
日本の25倍のオーストラリア大陸を私のようにバスで周るだけでなく、バイクや自転車、また歩いて巡っている人がいた話しを以前した。(最後にリンクあり。)
ライダーやチャリダーに旅の途中に会った際、魅力的な話しをたくさん聞いた。
ちなみに、「チャリダー」とは造語で、ライダーにかけて、チャリンコに乗る、自転車のライダー版で、「チャリダー」と呼ぶ。
バスなら止まらないところで、面白いエピソードがたくさんあり、そそられる。
その中で、「タスマニアは特によかった」という人がたくさんいた。
大陸とはまた違ったよさがあるらしい。
緑が多く、山や高原、雪山もあり、赤茶けた大陸と違うとのことだった。
大きな国にいると、自分の「物差し」がおかしくなる。
タスマニアが小さく見えた。
でもよく考えると北海道とほぼ同じサイズだ。
タスマニアを周るには、レンタカーが一番いいと言われた。
私は、意外とよく言われるが、運転免許がない。つまり、車の運転ができない。
タスマニアの路線バスは、ライダーや、チャリダーが勧めてくれた場所に止まらないところもあったり、なによりも自由がない。
そこで、自転車に乗って、タスマニアを周るチャレンジをしてみようと思い立ったのである。
チャリダーMUTSIの誕生だ!
南極に近いタスマニアは、寒い。夏の12月から3月の間に行かないと自転車は無理とのこと。
そんなわけで、3月の出発を目指し、資金稼ぎを12月から始める。
ブルーベリー農家で稼ごうと思ったが、1週間でギブアップ。(汗と涙の話は、最後にリンクあり。)
というわけで、日本食レストランのバイトをメルボルンで2つかけ持って、頑張って働いた。
そして、3/7から4/16の41日間、タスマニアを周った!
北海道を41日周るって結構なことなので、じっくり旅ができたということになる。
自転車は、小さい時から好きで、高校の通学も30分自転車を漕いで通っていた。
ただ、本格的なマウンテンバイクでの長期旅行は、初めてだ。
資金稼ぎをしている、メルボルンで、日本人女子ライダーに出会った。
彼女は、タスマニアをバイクで一周してきたばかりだった。
見どころたくさんの話しをたくさん聞いた。そして、彼女から、タスマニアの地図を譲り受けた。
テントをどうするか考えたが、雨が多いタスマニア。
荷物が重くなると、体力も更に必要となる。
また、女子1人だ。これはやはり、バックパッカーに泊まることにした。
また、タスマニアは、アップダウンが特に、西側の山の周辺が激しいらしい。
そのあたりは、宿もあまりないと聞いた。
1人で何かあったら不安なので、そこの地域は、自転車と共に、バスで移動することにした。
私が絶対行きたいと思ったのはワイングラスベイ。
世界の10大ビーチのひとつに数えられれ、三日月の形をした白い砂浜、サファイア色の海が広がるワイングラス・ベイは、オーストラリアで最も美しい自然景観の一つらしい。
あとは、絶滅危機と言われている、タスマニアンデビルを見たい。
そして、美しい山、クレイドルマウンテン。
その他にもたくさんの見どころを教えてもらった。
私の人生の神様、ケネディおじいちゃん、おばあちゃんに見送られ、メルボルンから14時間かけて、船に乗り、タスマニアのデボンポートに着いた。
ここが拠点になる。ここで自転車を借りて、1か月半後に戻ってくる予定だ。
この宿で1人の日本人女性に会った。
実は、数か月前に、彼女の息子さんが、ワーホリでここに来たのだが、デボンポートの海で泳いでいる際に亡くなったとのことだった。
私と同じ年の息子さん。息子さんも私のようにきっと夢をいっぱい持ってこの地に辿り着いたはずだ。
お母さんは、息子さんの思い出話を写真と共に語っていた。
自分の両親の顔が浮かび、なんだか、胸の奥ががぎゅっと痛くなった。
その方に、「くれぐれも気を付けてね」と見送られ、まずバスでStanlayスタンレイに自転車を乗せて向かった。
スタンレイは、THE NUTという台形の岩が有名。高さ152m。
本物の半分以下の大きさだが、タスマニアのエアーズロックと言われている。
翌日から始まる、長い自転車の旅の前に、自転車の調子を試してみた。
自転車の調子もよさそう。
いよいよ、明日から出発だ。
きっとなかなかこんな話しは、聞かないと思うので、この数回シリーズを是非お楽しみいただきたい。
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