本日もMutsiツアーにご参加いただき、誠にありがとうございます。
添乗員のツアーは、予め、全て予定ができたものをパンフレットなどで集客する「募集型」とお客さんのリクエストを元に作ってお連れする、「手配型」旅行に分かれる。
募集型のグループは、出発地の空港で初めて顔を合わす。
知らない人達が同士が「運命共同体」で海外を数日間一緒に周るって、よく考えるとすごいなと思う。
グループによって、同じ場所をお連れするのに、反応が違って面白い。
ツアーによっては、日本出発前に、ご挨拶がてら、添乗員がお客さんに電話をすることがある。
名簿を片手に電話をして、第一印象を書き込む。
「質問が多い」「反応が薄い」「心配性」「うるさそう、要注意」などだ。
そして、当日、空港で会ってみると、イメージが電話と違ったりする人もいれば、全く一緒だと思う人もいる。
聴覚の印象から今度は視覚の印象を名簿にメモする。
「髪が薄い」「激しいパーマ」「めがね」「優しそう」「いじわるそう」などだ。
この名簿は、パスポートに次に落とせない大事なものだ。
こんなのがお客さんに見つかったら、もう添乗員としての命は尽きるだろう。
集団心理が作用しているなと思う場面が多々ある。
例えば、レストラン。
同じテーブルに座って、誰かが開口一番「おいしいねー」というと、皆、続けざまに「美味しい、おいしい」という。
逆に、最初にいちゃもんを着ける人がいると、その後、本当は美味しいと思っていた人が、発言できず、そのレストランは、まずいというレッテルを貼られる。
全く同じレストラン、同じメニューなのに、味覚はそれぞれだから当たり前だが、評価がグループによって違うのがおもしろい。
「このレストラン、いまいちだね。」なんて言われた時は、私は、
「えー、そうですかー?初めて言われましたー」と言っておく。
実際の所、お客さんのいう通りで会社に既に報告済み、いずれそのレストランは、使われないことになるだろうという場所もある。
だが、残念ながら、このお客さんはここで食べるという選択肢しかない。
せっかく来ているのに、損をした印象を持たせたくないので、苦肉の策でそう言っておく。
そうすると、次のレストランから文句が減る。
ヨーロッパ周遊型のツアーだと、料理の味が国によってかなり違ってくる。
あるツアーで、ドイツ⇒オーストリア⇒イタリアと進んだら、だんだん食事が美味しくなっていった。
最後のイタリアの食事が美味しすぎて、お客さんを見たら、「あーーー、胃が喜んでいるーー」と心の底から嬉しそうだった。
ドイツは、総じて、塩辛いものが多い。
なんでも、昔、塩がとても貴重だったので、塩辛くしておけば、高級料理になるという、昔の名残があると聞いた。
その話しをすると、ちょっと納得してもらえる。
でも、あまり、口に合わない食事だって、それも異国体験だ。
美味しいものを食べたいなら日本に帰ってきてから、好きに食べればいいのだ。
以前にこのブログで話した、「魔法の言葉」の登場だ。(知らない方は、最後にリンク貼ります。)
ところで、グループの中には、面倒くさそうな人がいたら、注意して見張っておく。
添乗員があくまでもグループのリーダーだ。
主導権をしっかり持って舐められにようにしないとだめだ。
客室乗務員だったら、フライト中の我慢だけで済むが、添乗員は何せ、我慢の期間が長い。
ツアー中、なるべくいい関係を作りたいので、嫌だけど、できるだけコミュニケーションをとり、その人が何に関して、心の琴線に触れるのか探し求める。
でも所詮、お互い1人の人間だから、どうあがいても相性が合わない人はいる。
そういう時は、もう諦めて、ほどよい距離にしておく。
そして、現地のドライバーさんやガイドさんに愚痴っているうちに、気が晴れるのである。
ツアー中、自分のミスで失敗して落ち込むこともたくさんある。
そういうときも、彼らに慰めてもらったおかげで立ち直ることができた。
改めて、色んな人に支えてもらっているなーと感謝の気持ちになる。
というわけで、本日もMutsi ツアーにご参加いただき、誠にありがとうございました。
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