CA時代の楽しみは、もちろん、到着国での、ステイの時間。
フライトのスケジュールによっては、2泊、3泊できる時がある。
そのステイで仲良しクルーがいれば、ちょっとした旅行気分だ。
ある日のフライトスケジュールをみたら、3泊で、ベトナムのホーチミンが入っていた。
そして、仲良しオージークルーの「ベベちゃん」の、名前を発見!
そんなわけで、SINH CAFE(シンカフェ)というバックパッカーに名高い旅行会社が主催している、1泊2日のメコンデルタツアーに参加することに。
この会社主催のツアーは、1996年に初めて、バックパック担いでホーチミンに来たときにもお世話になっている。
集合場所の、シンカフェの前には、さまざまなツアーのバスと人でごった返していた。
受付に行くと、私達の名前がないと言われた。
ちゃんと予約確認もしたし、「行けないのは困る」と訴えたところ、
「補助席に一人座らなくてはいけないけどいいか?」と言われた。
もちろんOK。
というわけで、バスに乗った。
そして、びっくりした!
補助席とは、まさに字のごとく「補助」で、真っ赤なプラスチックの椅子を通路において、出来上がりというもの。
これがまた、真ん中にただ、置いてあるだけなので、急ブレーキなんぞかけられた日には、体ごと吹っ飛ぶのは、間違いない。
すごい、こんなの日本じゃ絶対ありえない!
でも、ここはベトナムだ!
身体が吹っ飛ばないように、乗車中ずっと、自然に足に力が入って、自然に歯を食いしばっている。
まあそんな感じでツアースタート。
英語とフランス語のガイドさんが乗って、説明。
英語のガイドのおじさんの英語が、全く聞き取れない。
英語ネイティブの、ベベちゃんも「わからない」という始末。
私の補助席の目の前に立つおじさんを眺めながら、フランス語の説明を待った。
フランス語のガイドさんの方が、ずっと聞きやすかった!
ツアーの参加者は、世界各国、色々。
オランダから来た4人の家族は、息子二人がまだ10歳と12歳。
でも、バックパックを背負わせて、いろいろな世界を既に見ていた。
素直で可愛い2人。
フランス人ももちろん多く、相変わらず3週間とか、1ヶ月のバカンスだと話していた。
この国の人達も本当に恵まれているなといつも感じる。
ライスペーパー、ココナッツキャンディー、あられを作る、工程を見せてもらったり、ランチをしたりで、盛り沢山の内容。
夕方「カントー」という町に着いた。
ここで一泊するため、ホテルにチェックイン。
到着したら、あまりもの暑さとあのプラスチック椅子「補助席」の移動で、急に疲れが全身を襲ってぐったり。
そんなわけで、夕食までシャワーを浴びて、横になって休憩した。
夕食は、ベトナム人で満席になっていた、ローカルなレストランへ、ベベちゃんと2人で入った。
ここで食べた魚のスープが絶品!
魚の出汁がきいて、たくさんの香辛料が甘さと辛さを出し、美味しさで、2人でうなった。
お腹も一杯になり、バイクタクシーで帰り、21時には就寝。
ぐっすり寝た。
翌朝は、朝の水上マーケットの見学。
メコン川上では、すでにたくさんの船が、観光客の船に近づいてそれぞれ近づいて、行商していた。
各船にのろしが立ち、そこに、自分達が売っている物がぶら下がっている。
この船に、一家総勢で暮らしている、つまり彼らの家だ。
トイレはないものの、船の中にには、一式、生活できる環境がとりあえず揃っているそうだ。
こんなところでずっと暮らしているなんてすごい、と素直に思った。
彼らは、この場所で、一生過ごすのかと思ったら、こうしていろいろな国を見れる自分は改めて幸せだと思った。
でも、待てよ!とその直後にふと思った。
彼らは、たくましく、元気に生きていて、子供の目もきらきらしていて、手を大きく私たち観光客に振っていて、幸せそうに見えた。
彼らは、別に色々な国を見たいと思ってないくらい幸せなのかもしれない。
人の幸せは、決して比較できない。
相田みつをの「しあわせは いつも じぶんの こころが 決める」という言葉が浮かんだ。
こうして2日間のツアーあっという間におしまい。
このツアー、こんなに盛りだくさん遊べて、たったのUS16ドル(2000円:その当時のレートの計算。)
恐るべしベトナム。
あの当時の子供達も今は、すっかり大人になっていることだろう。
自分の新しい家族とまた、メコン川の船上生活をしているのかなー。
元気であればいいなと思っている。
<思い出ブログ>
ある日のベトナムフライトで、ベトナム人に写真を急に撮られた話し!