今年の夏、東北に行こうと決めたのは、ドイツに住む、友人が、「日本の夏を感じる、お祭りに行きたい。暑いのが苦手だから、東北あたりに何かいいもの、ないかなー」というリクエストが出た事だった。
東北の夏の3大祭りと言えば、青森のねぶた、仙台の七夕祭り、秋田竿燈まつり。

ただ、8月後半にやってくる日付にマッチしなかった。
その中で、秋田県の大曲花火大会が、8月30日にあるのを見つけた。
花火好きな私としては、これは是非見たいと思った。
そんなわけで、6月に花火大会の有料席のチケットを購入した。
宿泊先は、この花火大会の為に、周辺は、どこもいっぱいだった。
結局、車で2時間ほどかかるが、岩手県の北上でホテルを取った。
友人はドイツから、5歳の娘ちゃんを連れてくるので、帰りの混雑を考えると、レンタカーで行くのがいいということになった。

しかし、当日の駐車場探しに難航。
結局、事前にどこも駐車場が取れず、土地勘のない場所で当日、バタバタするのは危険と判断し、電車で行くことに決めた。
私は、小さい頃、毎年、新潟の花火大会を心から楽しみにしていた。
(その時の思い出のストーリー)↓
日本3大花火大会の1つ。
これは、期待しかない!
当日は、臨時の新幹線に北上から乗り、混雑を避け、13時過ぎには、もう大曲に着いた。
この花火大会の大きな特徴は、「全国花火競技大会」であること。
競技大会なのである。
そして、「昼花火」と「夜花火」という2部構成。
「昼花火」なんて初めて聞いた。

色煙が特徴的らしい。
昼花火は、雅趣に富んだ見応えあるもので、昔から花火通の粋人が好む花火でした。現在昼花火競技を行っているのは、全国でも大曲だけです。
「煙竜(えんりゅう)」と「割物(わりもの)」の2種類で競技を行い、その形と色の組み合わせにより総合美を競い合います。
https://www.city.daisen.lg.jp/archive/contents-7939
昼花火の開始は、17:10。
大曲駅から、ゆっくり歩いて、30分ほどで雄物川沿いの会場に着いた。
有料席の会場は、人でびっしりだった。

ここ10年ほど、都内の花火大会にしか行ってなかった私としては、花火大会の会場に、高い建物がなくて、その代わりに山がそびえているっていうのに感動した。
昼花火は、なぜか、小さい頃の、記憶が急に蘇った。
運動会の、徒競走のよーいドン!って鳴る、あの鉄砲の音と、徒競走で1番にゴールインした時にテープを切る、あの快感がこの昼花火のイメージとマッチした。
夜花火の開始は、18:50。
あたりがだんだん暗くなってきて、いよいよかなって思っていたら、オロナミンCドリンクの協賛で、ドローンショーが開催された。

本プロジェクトは、約1,300機のドローンで夜空に歌詞や五線譜、オロナミンC型の音符を描き出し、来場者とともにシンガーソングライターKANさんの名曲「愛は勝つ」を大合唱する、日本初の試みです。ブランド史上最大サイズ(縦約225m×横約65m)の巨大オロナミンCも夜空に浮かび上がります。
これすごかった!

皆で歌って、元気はつらつ、オロナミンC!!
そんな余韻に浸っているうちに、あっという間にあたりが暗くなり始めた。
そして、ピンと背筋が伸びるような、甲高い声で、「だいーいちーごうーーーーー」という掛け声がかかった。
これは、大曲花火の名物の呼び出しだそうだ。
拍手に包まれて、オープニングのナイアガラの花火と言われる、地上に近いところに仕掛けているもので始まった。

さて、改めてまた言わせてもらうが、この花火は、「競技大会」
10号玉、芯入割物の部
10号玉、自由玉の部
創造花火の部
という3部構成で計28組が披露する。
それぞれ、判断基準に基づいて、審査されるそうだ。
詳細はこちらのオフィシャルページへ。↓
最初に基準の花火が上がり、「68点」などと点数が発表される。
これを元に、審査員が判断して、最終的に優勝者を決める。
また、一般の観客も点数をつけて楽しんでいた。
後日、BSにて、テレビ中継されたものを見て、わかったことがいくつかあった。
まず、花火と花火の間にたまに、結構長めの時間がある時があった。
その間に、「皆様、食中毒を避ける為、早めにお持ち込みのお弁当をお召し上がり下さい。」と同じようなアナウンスが何度かあった。
もうとっくに食べ終わった私からした、もう、食べたよーってつっこみたくなる内容。
しかし、これは、「煙待ち」の為の、時間稼ぎだった。
競技大会なので、公平な条件にする為に、煙が消えるまで待っていたそうだ。

アナウンスじゃなくて、ちょっとBGMを流すとかの方がいいかなって思った。
花火は、大きい玉ほど、上に挙がるそうだ。
そして、花火は、リハーサルなし。ぶっつけ本番。
また、いくつかの花火は、パラシュートで釣ってるというテクニックを使っていた。
これによって、しばらく、空に花火が残る。
この大曲の花火大会は、周りに高圧電線がないので、パラシュートを使えるそうだ。
この「釣りモノ」が見れるのが、大曲花火大会の魅力とのこと。

昼花火も釣っていたそうだ。
1つのチームが、「10号玉、芯入割物の部」でどかーんと一発、まず打ち上げる。
そして、「10号玉、自由玉の部」で、もうひとつ、どかんと一発。
最後に、「創造花火の部」は、音楽に合わせた、花火が上がる、という3セット。
音楽は、Mrs. GREEN APPLE、葉加瀬太郎、Da-iCE、嵐などのJーPOPから、美空ひばりの川の流れのように、井上陽水の少年時代といった、昭和歌謡。
日本の雅楽のような曲や、クラシック曲、そして、学生時代に音楽の時間に歌った、四季の歌、ささの葉さらさなどなど、28組が色々な工夫を凝らしていた。
面白かったのは、クレヨンしんちゃんの「オラは人気者」の花火。
しんちゃんの顔が浮かび上がって、盛り上がった。
この作品は、北日本花火興業が出して、優秀賞を獲得していた。
ちなみに入賞者は、翌日発表なのだが、メモでもしてない限り、この結果を見ても、どの花火だっけ?となる。
しんちゃんの顔は、「型物」という種類とのこと。ニコちゃんマークや、ハートマークの花火が、それにあたる。なんとこの「型物」をつくのは、難しいらしい。

花火って奥が深い。
そして、私も大好きだが、しだれ桜のような花火は世界でどこでも人気があるそうだ。

夜の部が始まって、2時間ほど経って、「だいーいちーごうーーーーー」の掛け声から、「大会提供ー」というものになったら、会場中が大拍手になった。
大曲の花火の年間スポンサー提供の花火。
今年は、交響詩フィンランディアというクラシック音楽と共に、希望と平和の祈りをテーマに打ち上げた。
こちら公式のYOUTUBE映像。↓最初の掛け声もお見逃しなく!
中継で解説をした、花火師さんが、「花火は火薬の平和利用」と言っていて、これ名言だなって思った。
今年は戦後80年ということもあり、改めて、平和を考えたので、夏の最後に平和に花火を見られて感謝した。
フィンランディアの後も、30分ほど競技大会は続けられ、「だいーにじゅーはちごうーーーーー」で最後になった。
約3時間に及ぶ、夜花火は、花火師さんが命がけで作った、技術の結晶だった。

最後は、秋田出身の津雲優さんの「いざないの街」という曲と共に花火が上がり、フィナーレ。
この曲、秋田にいる間に、何度か耳にしたが、とてもぐっとくるいい曲です。
ちなみにこちらが、今年の内閣総理大臣賞になった花火です。↓
素人の私の採点とは違いました!
というわけで、花火の奥深さをこの年になって知ることができ、はるばる東北まで行ってよかったなと思うのでした。
はるばると言えば、ドイツからわざわざやってきた、友人家族!
5歳の娘ちゃんにとってもいい夏になったかなーと、叔母の気持ち。
日本3大花火は、この大曲と、新潟の長岡、そして茨城県土浦の花火。
一番遠い、大曲に行けたので、あと2か所もこの際、この目でいつか、見たいなと思っている。
長くなってしまいましたが、本日はここまで!
<思い出ブログ>
また、9・11がきました。