私は、2002年から1年間、ワーキングホリデービザでフランスに1年滞在した。
そのうち、最後の4カ月は、旅に明け暮れた。
18kgのバックパックを担いで、周った行程は、ざっと以下のような感じだ。
モロッコ 18日間
クロアチア 10日間
スペイン、ポルトガル 1か月半(そのうち、バルセロナで首絞め強盗に襲われ、人生1度目の死にそうな経験をする!)
そこからは、友人を訪ねる旅として、
ロンドン
スイス
スコットランド
アイルランドへ。
また、この旅の道中のモロッコ、クロアチア、スペインで新たに、とてもいい友達ができた。
今回、フランス語を話したことで、フランス人の友人が多くできた。
フランス国内も行ったことがない地域がたくさんあったので、新しい友達を訪ねる目的で、フランスのストラスブール、ナンシー、ディジョン、クレモンフェランにも行ってきた。
9人の旧友に会いに行き、8人の新しいお友達に会いに行った。
航空券は、5年間の添乗員時代に貯めた、私の汗と涙の結晶のマイレージですべて手配した。
色々な航空会社に乗って、マイルを貯めていたので、コードシェアしている路線から、あれやこれやとルートを探し出し、手配した。
添乗員時代、ストライキやら、ロスバゲで悩まされた、エールフランスのマイルが一番貯まっていた。
苦しい思い出は、これで清算だ!エールフランスで、まずモロッコに飛んだ。
パリからたった、3時間だ。アフリカ大陸は、すぐそこなのである。
モロッコの18日間の旅は、巧みにやってくるモロッコ人との闘いだった。
その結果、私は、
「モロッコ人のモハメッドという旦那がいて、フランスに住んでいる日本人。
職業は、ジャーナリスト。モロッコに来るのは、今回で3回目」
という肩書が相手をかわすのに、一番効果的ということを学んだ。
左手薬指にも指輪をして臨んだ。
モロッコは、フランスの植民地だったので、フランス語を話せる人が多い。
私は、フランス版ガイドブック、「地球の歩き方」le Guide du routardというガイドブックを持って旅行した。ちなみに、routardは、フランス語で、「バックパッカー」という意味だ。
つまり、このガイドブックは、「バックパッカーの為のガイドブック」、私の為にあるようなものだ!!
そもそも「日本人なのに、なぜ、フランス語が話せるのか」とよくモロッコ人に聞かれた。
このガイドブックは、写真が全くなく、辞書みたいな厚さなので、フランス語学習者としては、とても読み応えがある。
ペンを持って、書き込みしたりしているので、私が、観光客というより、仕事をしにモロッコにきているように見えたようだ。
最初は、日本から女子1人旅でやってきたと思われたので、色々な観光のオファーや、いやらしい依頼が殺到した。
それを避ける為に、色々な嘘をつき始めた。そして、「イスラム教を信仰している旦那がいる」という噓をつき始めてから、だんだん、モロッコ人の私に対する対応が変わってきたのを感じてきた。
自分を脚色して、最終的に、うざい人達から逃れる肩書を得たのである。
ちなみに、モロッコの基本情報は、以下の通りである。
ジブラルタル海峡を挟んでスペインと向き合い、南部にはサハラ砂漠が広がり、ヨーロッパ、アフリカ、アラブ、ベルベル、様々な文化が混在するアフリカ大陸北西端の国。
■正式国名:モロッコ Kingdom of Morocco
■首都:ラバト
■人口:約3,301万人
■面積:約44.6万km²
■人種・民族:アラブ人、ベルベル人など
■宗教:イスラム教
■言語:アラビア語(公用語)、フランス語
■通貨:ディルハム(DH)1DHが、12円くらい。
この下の地図でいうと、白い部分がモロッコだ。国境は、左下のピンクの部分の「モーリタニア」、右側が「アルジェリア」だ。
モーリタニアなんて聞いたこともない国だった。
マラケッシュから、サハラ砂漠のある、ワザザット、ザゴラまでの9日間は、欧米人も含む、外国人にあまり会わず、モロッコ人、それもサハラ砂漠に向かえば向かうほど、フランス語が話せる人も限られてきた。
そして、それと同時にイスラム教の女性が被る、ヒジャブもカラフルなものから、真っ黒になっていき、一番すごかった地域は、もう姿形もわからず、黒で覆われたヒジャブに目が、辛うじて見えるか見えないかにまでなった。
こりゃ、かなりの異国に足を踏み入れたなと思った。
そこから、北に向かい、フェス、首都のラバトに行くと、ようやく自分を含めた、観光客、モロッコ人以外の人に出会い、噓の肩書を使う必要がなく、楽しく話しができる人々に出会えてほっとした。
今回は、タスマニア自転車旅に続く、シリーズものとして皆さんにモロッコの旅をお送りする。
15回に及ぶ長編シリーズだ。
当時の日記が残っていたので、ほぼそのままこちらに挙げていく予定だ。
19年経って、久しぶりに自分の日記を読んだが、「いやはや、私、やってるなー」と思った。
私の敬愛する、沢木耕太郎「深夜特急」にも出てきそうな経験もした。
なかなか、皆さんも簡単に行けない国だと思うので、行ってない人は、是非、一緒に旅をする気持ちで楽しんでもらいたい。
どうぞお楽しみー。
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