猛暑の日本のガイドのお話し。
前回のお話しはこちら↓
今回、13歳の妹のジョーダンちゃんが、かなり深刻な、アレルギー持ちだった。
ゴマ、乳製品、ナッツ、さくらんぼがNG。
アレルギーに関しては、どれくらい深刻かというレベルがある。
少しくらいな大丈夫なのか?
それとも、Cross Contamination(クロスコンタミネーション)と言われる、製造過程において、混入してもダメなのか?
クロスコンタミネーション(交差汚染)は、食品アレルギーにおいてこれは、アレルゲンを含む食品や器具が、他の食品や表面に触れることで、アレルゲンが意図せず移ることを指す。
この結果、アレルギーのある人が安全と思われた食品を食べた際に、アレルギー反応を引き起こす可能性があるという、深刻な状況になる。

ジョーダンちゃんは、この深刻なレベルだった。
少しでも対象の成分が体に入ると、アナフィラキシーという、命に危険が生じ得る過敏な反応が出るという。
エピペンという、ペン型をしたアドレナリンの自己注射製剤も持っていて、万が一、症状が出た場合は、自分で打つという。
これは、本当に恐ろしい。
パパとジェレミー君は、魚が好きでないという。ただ、アレルギーではない。

ランチを一体どうすればいいのか、ガイドとしては、悩ましい。
初日は、深川でのランチだったので, オーガニックカフェに事前に連絡してみた。

シェフとお話しして、アレルギー対象のモノを使わないメニューを考えてみますとの事で、助かった。
日本での初日のレストランでのランチだったので、ママに、本当にアレルギーのモノが入ってないか、確認するように再三言われて、緊張した。
ジョーダンちゃんもこの旅行の為に、「私は強いアレルギーがあります。この食材が入ってないか、ご確認お願いします」と日本語で書いてある、カードを持ち歩いていた。
そして、日替わりの、タコライスを4人共食べることになった。
この家族は、このようにアレルギー+好き嫌いもあるので、日本食などにチャレンジするタイプではなかった。
タコライスも恐る恐る食べていたが、やはり日本は基本、何でも美味しいので、私がちょっと席を外して戻ってきたら、平らげていて、美味しい!と笑顔だったので、ほっとした。
ジョーダンちゃんとママは、魚嫌いな男性とは反対で、お寿司が大好きとのこと。

銀座に着いた時に、お寿司がちょっと食べたいと言ったので、三越のデパ地下に連れて行った。
そこで、おにぎりを見つけて、お寿司じゃなくて、鮭おにぎりが食べたいと変更。
買う際も、また、アレルギーカードを見せて、本当に大丈夫か、確認。
大丈夫と伝えるものの、その日の夜、もし調子が悪くなったとか連絡が来たらどうしようとちょっとドキドキした。
旅行初日で時差もあって、疲れもあるだろうし、なんといってもこの暑さで体力も落ちている。
それが原因で体調を崩した場合、もしかして、アレルギー反応出るかもしれない。
ジョーダンちゃんは、生まれた時からその状態だそうで、何度も病院に緊急搬送されたことがあると言っていた。
彼女らは、フォーシーズンズホテルという、最高級のホテルに滞在していた。

こういう高級ホテルのレストランは、アレルギー対応にはとても慣れている。
なので、朝食、夕食は、この家族は、ホテルで食べていた。
2日目は、猫型ロボットが配膳してくれるという、テクノロジーの日本に興味を持っている、ジェレミー君のリクエストに応えて、ガストに行こうとなった。
しかし、ジョーダンちゃんに、メニューを見せたら、心配になったので、やめることになった。
女性陣は、お寿司、男性陣は、ラーメンが食べたいという。
一緒に食べれるところはないかといわれ、くら寿司ならあるとなったのだが、日曜日のお昼で1時間待ち。
結局、翌日に予約をすることにして、その日は、コンビニで、ドライマンゴーなどを買っていた。
そのドライマンゴーの製造過程では、クロスコンタミネーション(交差汚染)大丈夫かなと思っていたが、私は関わるのが怖かったし、相談もされなかったので、そのままにした。
そして、3日目のランチでくら寿司へ。
ここもなかなかに大変だった。
まず、着席して、タブレットでオーダーするスタイルには、皆、興味津々。
その横で寿司が回っているので、それにも興奮。

ラーメンを食べたい、パパとジョーダン君は、さっさと注文して、楽しそうに食べていた。
そして、アレルギーいっぱいのジョーダンちゃんの為に、まず、アレルギー成分表がネットにあるのでそれを見るようにお店の人から言われた。
しかーし、このアレルギー表が物凄い、欄があって、縦軸と横軸を見ながら、ゴマ、乳製品、ナッツが入っているのを調べるのがもう恐ろしい時間がかかることがわかり、途方に暮れてしまった。
お店の人に相談して、印刷してもらった。
すると、かっぱ巻きですら、製造過程でゴマが含まれていることがわかった。
ジョーダンちゃんは、サーモン巻とアボガド巻を食べたいのでお店の人に作ってもらえないかと言われたので、聞いてみたのだが、やはりこういう大型店というのは、フレキシブルに対応できないということがわかった。
私が5枚に渡る、ものすごい細かい成分表と格闘している中、気が付いたら、目の前では、ラーメン2杯目に突入している、男性陣。
魚が嫌いな彼らは、唐揚げやら、ハンバーグ寿司に大興奮。

目の前で、ジョーダンちゃんがどんよりしても、全く構わず!!
なんだか、笑ってしまった!!
これ、やっぱり家族だから気を遣わないんだろうなーって感心した。
結局、お椀に白米を入れて、それを食べたいということになった。
さすがにそれはあるだろうと思ったのだが、そういうメニューはなかった。
お店の人に聞いたら、残念ながらなく、できることとしては、例えば、鰻丼とか、海鮮丼の具を外したものを提供する形になるという。
鰻丼の値段をみたら、1500円もする。
ご飯だけでもその値段を払わなければならないという。
安い方法は、ミニ丼を頼むということ。
それでも500円ほどしたが、もうそれしか方法はなかった。
白米が来て、それに醤油をたっぷりかけて食べていた。
格闘している私を見て、家族の皆が私のランチの心配をしてくれた。
私もジョーダンちゃんがアレルギー成分の影響で、食べれなかったラーメンを食べたかったのだが、やっぱり目の前で食べる勇気は出ず、ちょこっとお寿司などをつまんだ。

13歳のジョーダンちゃんは、食べ盛り。
くら寿司では、お腹いっぱいにならならず、夕方、疲れが出た感じだった。
そんな中、タピオカドリンクが大好きというので、このお店に連れて行った。
やっと、食べたいものにありつけて、よっぽど嬉しかったのか、車の中では、お兄ちゃんとじゃれ合って、お箸が転がってもおかしい!という感じで、笑いこけていた。
ジョーダンちゃんには、最後のお別れの際に、I miss you, ママ ムッツィー
って思い切り、ハグされた!
格闘していた私をちゃんと見てくれていたのかなーって思ったら、嬉しかった。
そんなわけで、ただでさえ、ガイドの仕事の中で大変なレストラン選び。
アレルギーがない自分は、本当に幸せだなと今回痛感した。
ジョーダンちゃんは、この先の人生、ずっとこのアレルギーと共存していかなくちゃいけず大変だと思う。
そんな中、少しでも日本で美味しいモノにありつけて、楽しんでくれたようでよかった。
というわけで、また次回はこの家族との、ツアーをレポートします!
本日もMutsi(ムッツィー)ツアーにご参加いただき、誠にありがとうございました。
<思い出ブログ>
今年も恒例の花火大会に行ってきました。素晴らしかった!