通訳ガイドMutsi(ムッツィー)の日本探検隊!! お客様最初からお怒りです!!

通訳ガイド

久しぶりにガイドをしてきた。

本日のお客様は、2組のアメリカ人ご夫婦、4名様。

4人は、70代。お姉さんと弟夫婦の4人でやってきた

初めての日本での旅行。

彼らは、まず東京に来て、ガイドさんのお家でお寿司づくりを体験をした。

日本酒を飲みながら作っていたら、美味しくて飲みすぎて、手巻き寿司は最後ぐちゃぐちゃに巻いていたらしい。

それから書道体験も楽しんだ。

その後、横浜港を出発して10日の日本一周クルーズ。

そんな日本での20日間の旅行の最終日。

クルーズ船から降りて、成田からのフライトが22時なので、その前に、東京観光をしたいというリクエストだった。

私のもらっていた予定表には、

10時半、横浜大桟橋、お客様お迎え:

専用車に乗って、上野、谷中を散策。17時に東京を出発して成田へ」

という行程になっていた。

天気予報は、終日大雨。

事前に、上野、谷中へ下見に行き、雨の場合だと何がいいか、美術館や博物館の展示物の内容も調べておいた。

横浜に向かう電車の中で、電話がかかってきた。

お客さんがガイドが来ないと言っているとのこと。

イメージ図

向こうは8時半に私が迎えに来ると勘違いしていた

これってたまにあるのだが、現地のエージェントがお知らせしていた日程と、日本サイドで手配している内容が違うっていう問題だ。

私は悪くない!!

とりあえず、どんなに急いでも、私はまだ横浜に向かっているから、お客さんの前にすぐに登場できない。

急ぎ足で大桟橋に向かった。

しかしまあ、すごい雨だ。

クルーズは、6時半には既に港に到着していたそうだ。

確かに8時半のお迎えが妥当だ。

しかし、私は10時半大桟おおさん橋と言われたから、間違ってない!

大桟橋のミーティングポイントは、10時半になっても、タクシーを待つ長蛇の列がまだあったが、600人の乗客のほとんどはもう掃けていた。

お客さんの名前を書いたボードを持って、うろうろしながらお客さんを探していたら、もう私が来ないと思って諦めたのか、長蛇のタクシーの列のもうすぐ自分の番というあたりに彼らがいた!!

私が笑顔で挨拶する前に、What happen?? 一体どうなっているんだ?とまず言われた。

怒っているーーーーー!!

しかし、ここで私が謝るとおかしなことになるし、第一、急ぎ足で向かったから、逆に予定より早く到着している。

そんなわけで、私もすっとボケた調子で、「あれー、私は、10時半って聞いていたよー。」と言った。

外は大雨、2時間も待たされ、イライラなお客様達は、「もう空港にすぐ向かう!観光なんて興味ない!」と言ってきた。

それはそれでいいけど、今から成田に向かって、10時間もチェックインもできないあの空港で本当にいいのかな?と思い、とりあえず、落ち着く場所が必要と、車に乗せた。

ハイエースの12人乗りの車に閉じ込めて、静かな場所で4人と話した。

今日の元々の予定は、上野公園、谷中。

今日は、1日雨の天気予報。もちろん、すぐに成田にも向かえるが、せっかく車もガイドも用意しているから、何をご希望か言ってもらった。

お一人、奥様が歩くのもやっとだった。

そんなわけで、「雨もひどいから、歩かずに、この車の中から東京観光をしてほしい。」とのことだった。

ドライバーさんと相談して、横浜-> お台場→築地→銀座→皇居→東京駅→秋葉原→浅草→渋谷のコースにした。

車が進んだら、4人とも気持ちが落ち着いたらしい。

私もまずはホッとした。

この日は、スポーツの日の祝日。

彼らは元々キューバで生まれたが、アメリカのフロリダに小さな時に移住してきたそうだ。

フロリダは、雨が降っても、ざっと降って止むので、傘を人生においてほとんど使ったことがないそうだ。

なので、この日の町中に傘の花が咲いて、外を歩いている人がもれなく、傘をさしていることにすっごく驚いて写真を撮りまくっていた。

またスポーツの日っていう祝日があるって「なんていいの!!」って感激していた。

もう一つ、異常に車内が盛り上がったのが、高速での出来事。

ETCカード専用を通過する際、バーまで車が近づいて、手前ギリギリでバーが上がるのだが、そのタイミングが彼らにとってはあまりにもギリギリらしく、毎回、ぶつからないかとヒリヒリするらしい。

息を凝らして見つめて、バーがパッと上がると、「オーマイガッド!」と雄叫びを上げて、ブラボーとドライバーさんに対して拍手喝采!

ドライバーさんも空気を読んで、チャレンジし始めて面白がったので、ますます盛り上がった。

男性2人は車が大好きらしく、車窓から見える車に興味津々。

また、「銀のさら」のデリバリーバイクを見て、「ピザ!」って言うから、「これ、お寿司をデリバリーしているんだよ!」って言ったら、びっくりした、また写真を撮っていた。

日本人の私からしたら、全部当たり前の事なんだけど、こういう外国人からの目線から見る反応で、自分も改めて気が付くことがあって、こういう点がガイドをやって楽しいと思うことだ。

その自分にとっての「当たり前」の代表がやっぱり渋谷スクランブル交差点だ。

ちょうどドライバーさんがいいところで止まってくれて、一斉に携帯で動画を撮っていた。

多いと3000人が一気に渡るスクランブル交差点。

こんなちょっとした情報と共に、お怒りぷんぷんだった4人は、最後は、「いやー、今日は日本の締めくくりがこんなに楽しくできてよかった」と笑顔だった。

本当は、17時に成田に彼らだけで向かう予定だったのだが、もう満足したので、空港でゆっくりしたいという。

私もまだガイドの時間だから、そのまま成田空港に一緒に行った。

ここでまた問題が発生。

チェックインまでの4時間、荷物をカートに乗せて、レストランでゆっくりしようと計画していたのだが、3階のレストラン街は、カートを持って立ち入れない事が判明。

20日ほどの彼らのスーツケースは、重いし、歩けないマダムもいるしで、またイライラモードに逆戻り。

おーーー!大変!せっかくハッピ―にさせたのに、肝心な終わりがこうだとまずい!

インフォメーションセンターで情報を得て、ようやく荷物の一時預かりが一番いいということになった。

ようやく皆、ほっとして、また笑顔に。

やれやれ、私のお仕事ももうここまで。

こうして、会った時は、What happen? 一体どうなっているんだ?と言われた私だったが、最後は、皆とハグしておしまい。

改めて、現場のごたごたは、ガイドさんが必死になって対処していて、ガイドさんの役割って重要だなって自分がガイドをやりながら痛感したのでした。

大変だけど、やっぱりガイドは楽しいです。

というわけで、本日のツアーのご参加誠にありがとうございました。

<思い出ブログ>

クルーズ船を見たら、久しぶりに自分が働いていたことを思い出しました!

コメント

  1. ヨシヒロ より:

    Mutsiさん、クルーズ船からのお客さん案内、大変な一日でしたね。アポイントの時刻が違っていた、これは言われる通りガイド側の責任ではなく、日本のランドオペレーターの問題ですが、お客さんが怒っているのは仕方がないですね。ただ案内する内に楽しいい雰囲気になった、ガイドの腕の見せ所でしょうか。お客さまとは一期一会、お客様の性格と望みをいち早くつかむことが大切と思いますが、決して易しい事ではないですね。

    • ヨシヒロさん、コメントありがとうございます。本当一期一会ですよね。目の前のお客さんに嫌な印象で国に帰ってほしくない!終わりよければ!という言葉もあったので、必死でした!

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