【インバウンドのお仕事】台風対応って大変!!

日本の旅

先週、台風10号がやってきた。

今回の台風は、ノロノロ台風と言われ、とにかく動きが遅かった。

おまけに、台風じゃない地域が大雨に見舞われたことで、影響範囲が予想以上に大きかった。

私は今、インバウンドの手配の仕事とガイドの仕事をやっている。

今回は、手配の仕事をする上で、こんなことになったんだよってお話しを紹介。

私の会社は、日本に来たいという、外国人のお客さんが、それぞれの国の旅行会社(エージェント)に旅行を申し込んで、エージェントからの依頼で手配をする。

いわゆる、B to Bだ。

通常、JRや、航空会社が、運休を発表した時点で、影響が直接あるお客さんに連絡をする。

ここで大事なのは、選択肢は与えるが、お客さんがどうしたいか決めなければいけない。

もし私達が、決定を促すと、そこで発生するキャンセル料など、こちらが支払わなくてはならない事になるからだ。

今回、広島の生口島いくちじまでゆっくり過ごしていた、親子(娘と母親)のアメリカ人がいた。

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その日も本当は、クルーズに行く予定だったが、台風で船が欠航した。

この親子は、既に、東京、京都などを回り、ここで過ごした後、東京にまっすぐ、新幹線で戻り、羽田から帰国する予定で、最後の旅程に差し掛かっていた。

そんな折、新幹線が、翌日、名古屋ー三島間の運行休止というニュースが入った。

このままだと、この親子は、翌日、東京に行くことは、難しくなる。

こちらとしては、まだ新幹線が動いている、今日中に東京に向かった方がいいと判断した。

ただ、決定権は、お客さん。

なぜなら、泊っている、旅館を急遽チェックアウトしなければいけないので、払い戻しはない。

そして、東京に着いてからの宿泊費も、お客さんの支払いになるので、お客さんに決めてもらう。

お客さんに説明する前に、変更を想定して、空き状況を確認する。

今回は、ホテルから福山駅までの専用車、それに伴う、アシスタントさんを元々予約していた。

これから数時間後の急遽の移動になるかもだが、対応が可能か?と尋ねる。

明日の予定がキャンセルになった場合、キャンセル料がいくらか?

今晩、東京に着いた場合、予約しているホテルに1日早く、泊ることができるか?値段はいくらか?

もし、今日の移動が嫌だと言った場合、翌日の新幹線が動かないので、その場合、どのような移動手段が考えられるか?

それに伴う、お金はどれくらいなのか?

ある程度の情報を集めて、お客さんと話す準備をする。

新幹線は既に徐行運転に入っているというアナウンスがあった。

JRのサイトを見て、今晩残りの新幹線の空き状況も確認しながら、チームで情報を集める。

お客さんは、その時、ホテル内の温泉を楽しんでいるらしかった。

なかなか電話が繋がらなかったのだが、ようやく繋がった。

今回は、とても理解があるお客さんだったので、すぐに移動するということになった。

それでも荷物をパッキングして、1時間以内に出発するのは大変だったと思う。

ただ、新幹線に関して、空きがあるか、みどりの窓口に行かないとわからない。

ひとまず、専用車のドライバーさんにも協力を促して、ホテルを出発した。

福山駅まで1時間近くかかるのだが、予定していた新幹線が、どんどん遅れているようだった。

そうしているうちに、東京まで行く予定だった新幹線が、結局、新大阪までしか行けない可能性が高くなったとまた、JRの発表で知った。

それを聞いたら、お客さんが、また、生口島いくちじまのホテルに戻りたいというかもしれない。

このお客さん担当の私の同僚は、とっても大変な状況陥っていた。

新大阪までしか行けないとなると、今度は、元々、東京に着く予定でホテルを1日前倒して押さえたが、これが必要なくなる。

予約をしてしまったら、キャンセル代金がかかってしまうので、判断が重要になる。

ただ、新幹線の状況が読めないので、ひたすら、チームで手分けをして、天気予報と、遅延情報をチェック。

この親子は、かなり自立していて、日本での対応窓口の私達に頼ることが、この旅行中ほとんどなかった。

今は、ネットもあるので、自分達でもなんとかできるっていうのもあるかもしれない。

結局、新大阪に夜、到着して、自分でホテルを手配したそうだ。

翌日は、東京行きの新幹線は、全て運休になった。

親子は、翌日、羽田からアメリカに夕方帰国する。

新大阪にもう1泊して、翌朝の伊丹から羽田のフライトが取れたので、これで一安心と思っていた。

ところが、天気予報によると、翌日は、大阪地方が悪天候となるので、羽田行きの飛行機が運休になる可能性が高くなるという情報が入った。

となると、今晩中に、東京に行った方がいい。

うむ、、、困った。

専用車の手配は、東京ー大阪間は、20万円ほどかかるという。

ただ、そもそも、車の手配が急にはできない。

電車は敦賀経由の北陸新幹線なら、東京に行けそうだ。

そこで、昨日、水も飲む時間もなく頑張った、担当の同僚がお客さんに連絡をしたのだが、お客さんは、もう嫌だと怒り始めた。

仕方あるまい。

まず、昨日は、生口島いくちじまでゆっくりしていたのに、夕食を食べずに出て行き、進まない、新幹線で東京に行けると思ったら、新大阪でストップ。

やっと、最後の日本の1日を大阪で過ごそうと思ったら、また出発した方がいいといわれたら、怒りたくもなるだろう。

またここで問題なのが、お客さん移動を勧めてはいるものの、新幹線の振り替えができるか、みどりの窓口に行かないと状況がわからないということだ。

そして翌日、悪天候になるという予報とはいえ、あくまでも予報でしかない。

実際、飛行機は飛ぶ可能性もある。

お客さんは、それでも翌日、帰国したかった意思が強く、新大阪を出た。

そして、夜遅くに東京に着いて、翌日、帰国できた。

担当した同僚も、本当に大変だったと思う。

よくやった!

これから台風シーズン到来と思うと憂鬱だ。

今回は、夏のオフシーズンだったので、まだツアーの本数が少なかったが、9月後半から、予約数も多くなる。

天候なので、判断も難しく、それを考えると頭が痛い。

自然現象であるから仕方がないが、改めて、普通に何事もなく、旅程が進むってなんて素晴らしいことなんだろうって改めて思った。

ちょっと思ったのが、テレビの報道を見ていると、物凄く、恐怖感をあおるなって思う

安全第一を訴えたいのはわかるけど、なんだか、逆に見る気が失せた。

考えてみれば、外国人の観光客は、こういう報道を旅行中は見ないから、私達が、台風の危険性を訴えても、よくわからないと思う。

次の台風が怖い!とちょっと台風に敏感になっている。

というわけで、おしまい。

<思い出ブログ>

台風と言えば、やっぱりクルーズのお仕事では、大変でした!!

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