23歳の時に、クルーズ船でちょっと働いた。
沖縄は、那覇と座間味と石垣島に止まる。
座間味の滞在時間は、とても短いので、クルーは、ちょっと外の空気を吸いに出るくらいだ。
座間味は、世界有数の透明度を誇る海だ。
美しいサンゴ礁、熱帯魚を目当てに、世界中からダイバーが集まる。
私も、休暇中の期間を利用して、ダイビングをしたが、オーストラリアのグレートバリアリーフ並みに美しかった。
ちなみに、座間味には、大きな港はない。
なので、座間味の港に近づけるギリギリのところで、クルーズ船が止まり、そこから、小型の船に乗り換えて、島に上陸する。
既に、水が物凄ーーーーく透明で、綺麗。
日本にもこんなきれいな海があったなんてとびっくりした。
ところで、フィリピンには、ご存じの通り、たくさんの島がある。
7,500ほどあるらしい。
海がキレイなので、観光客が押し寄せる。
セブ島などは、直行便もあるので日本人には馴染みがある。
そんな綺麗な海を見慣れている彼らでも、座間味の海は、素晴らしいと称えてくれる。
フィリピン人によく、”Are you Visayas? ” 「あなたビサヤ人?」と聞かれた。
何のことだと思ったら、フィリピン中部、ルソン島とミンダナオ島のある地域が、ビサヤ諸島と呼ばれていて、フィリピンの中でも特に海の綺麗な場所らしい。
私がそのビサヤ諸島の出身か?と聞くのである。
なんで、日本人の私にそんなことを聞くのか、よくわからない。
「ハロートモダチ!Are you Visayas? 」と船の中でフィリピン人に何度も聞かれた。
日本で例えるなら、「こんにちは、やあやあ、あんた、関西人?」っていう感じなのかなー?
私も気分によっては、「YES!ビサヤ人だよー」とからかい半分にいうと、「Really?本当?」と意表を突かれてびっくりして、相手の足が止まる。
そして、私がわざとそういう返しをしたとわかり、大うけしている。
フィリピン人の笑いのツボがよくわからないのだが、お約束のやり取りだった。
いずれにせよ、船に揺られる生活の私達にとって、寄港地は、絶好の気晴らしであり、楽しい以外の何ものでもない。
以前に台湾では、中国人は、上陸できず、その後、船からのクルー失踪事件の連帯責任で中国人は、日本にも上陸できないというかわいそうな話しをした。↓
日本人の私は、こんな状況に追い込まれることがなかったので、ありがたいと思った。
さて、座間味には、私は、クルーとして、降り立てなかったので、いつか、ゆっくりしたいなと思っていた。
そこで、クルーズ船を退職した際に、座間味に数日滞在した。
潜水士の資格を持つオーナーがいる、「ぶるーまりん」という宿に泊まった。
クルーズ船の当時の私の契約内容は、
給与:US$1,000、(当時のレートにすると12万円ほど)
非課税により天引きなし。
契約期間:1年 5か月船上生活、1か月休暇x 2 ターム
というものだった。
要するに、5カ月間、船の中で過ごしその間はお休みなしで、その後、1か月丸々お休み。
その1か月のお休みの期間に沖縄を旅したのである。
初めての船の仕事で、たくさん、びっくりする体験をしたので、お休みが1日もなく、船の中で暮らすというのは、とっても大変だった。
だから、このお休みの開始場所が座間味で、頭の中を空っぽにして、心の底から楽しめた。
時は、1997年の8月末。
忘れもしない、イギリスのダイアナ妃がパリの交通事故で亡くなった日だった。
私は、小学生の頃から、ダイアナ妃のファンだったので、とってもショックだった。
毎年、「ダイアナ妃の死去後、〇年」というニュースを見るたびに、私には、座間味の綺麗なサンゴ礁と、パリのトンネルで粉々になった、ダイアナ妃の乗った車がリンクしてしまう。
今年の夏で25年。また8月31日は、合掌して、座間味に胸を馳せることだろう。
ちょっと悲しい思い出もあるが、座間味は、本当にいいところだ。
皆様も是非機会があれば、足を踏み入れて、のんびりしてみてねー。
本日もご乗船、誠にありがとうございましたー。
コメント