2024年パリオリンピック 体操男子金メダルから教わったこと。

エッセイ

2024年、夏のパリ オリンピックが終わった。

今回は、セーヌ河での、選手入場ということで、生まれて初めて、オリンピックの開会式を録画して見て楽しんだ。

オリンピックは、昔ほど夢中になっていない。

特に、2001年の東京オリンピックで、誘致までの、多くの賄賂や、お金に群がる人達が改めてクローズアップされてからは、ますますだ。

だから、こちらが楽しんだら、そんな人達の思うつぼだ!とちょっと警戒しているところはあった。

ただ、選手にとっては、大事な大会だと思う。

そこがジレンマだ。

パリオリンピックは、時差の関係で、私は、生での観戦は、1つもなかった。

朝、起きて、ネットで結果を見て、「おっ!」となり、テレビをつける日々。

今回は、海外大会で最多のメダル数だったが、私は、男子体操団体の金メダルが何よりも自分に響いた。

私は、今は「頑張らない」とモットーに生きている。

だから、昔ほど、頑張ったストーリーに関しては、反応しないのだが、この体操ニッポンの金メダルのニュースは、何度見ても心を打たれる

団体決勝では、エースの橋本大輝選手が、あん馬で失敗した。

状況は、非常に厳しくなった。

絶望的な表情でチームの元に戻ってきた時、まず、杉野選手が「大丈夫、大丈夫」と最初に迎え入れた。

続いて、キャプテンのかや選手が「大輝ここからだよ。 絶対あきらめんなよ。いけるよ。」とひときわ大きな声をかけた。

鼓舞したあの魂の入った言葉。その表情と声色にぐっと来た。

あの場面を見る度に私が何故か泣きそうになる!!

団体とはいえ、この競技は結局個人競技。

自分との闘い。

橋本選手は失敗した時、自分のせいで、銀メダルになってしまうという申し訳なさでいっぱいになったという。

そのプレッシャーは、どれだけのものだったろう。

1位の中国のミスで、一気に点差が縮まり、最後の鉄棒は、橋本選手。

チームメートに背中を叩いてもらい、気合を入れてもらう。

気合を入れる選手達の祈るような表情にまた泣きそうになる!

岡選手は、既に泣いていた。

初めてのオリンピックで、自分の演技をしっかり終えて、もう訳がわからない状況だっただろう。

4人が肩を組み、声を合わせて「大輝ガンバ―」と言っている。

あー、「ガンバ―!」という声掛けって、懐かしい!

陸上部のリレーの選手だった、中学、高校時代の自分を思い出す。

皆のパワーをもらい、最後の鉄棒の演技。

綺麗な着地。

固唾をのんだチームメイトの4人の表情が一気に崩れて、橋本選手を称えた。

そして中国の演技を終えて、大逆転で、日本の金メダルが決まった。

皆、喜びを爆発させて、涙と笑顔で表情がくしゃくしゃになっていた。

「絶対あきらめなければ わからないんだよ。」

キャプテンの萱選手がまた、最後に言った。

この言葉は、重みがあった。

時代は、色々変わってきている。

体操選手で言えば、昔は、皆、男子選手は、脇毛をしっかり生やしているのが当たり前だった。

今は、皆、つるつる、綺麗にお手入れしている。

でも、一生懸命頑張ってる姿は、どの時代でも、やっぱり、美しんだなって思う。

今回、SNSで、選手を批判するコメントが沢山あったと聞いてびっくりした。

その書き込みをした人は、その選手の一体何を知っているんだろう?

特に、柔道の阿部詩選手の負けと号泣して動けなかったことに関して、批判が多かったそうだ。

本当に残念な限り。

そこでまた思い出す、ピンチになった時でも鼓舞した、萱選手がかけた言葉。

「絶対あきらめんなよ。いけるよ。」

前向きで心がこもっている言葉は、人の心を動かす。

皆がその言葉を信じて、懸命に演技をして、繋いで行った。

本当に素晴らしいものを見せてもらった。

私も仕事では、リーダーとして、声をかける立場だ。

大変な時もあるが、萱選手のように、気持ちを込めた、前向きな言葉をかけることを心掛けたいと思った。

またガイドの仕事をする時も、同じように、前向きな言葉を使っていこうと、改めて思った。

ガイドの場合、英語という母国語ではない言葉で話すので、使う単語の意味合いにも気をつけなければいけないなーと思っている。

次のオリンピックは、どれくらい心が動くのかなーと思いながら、本日のお話しはこれにておしまい。

<思い出ブログ>

言葉の力についてのお話し。

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